梨子「冗談よ、曜ちゃん」

曜「大会が近いから仕方ないけど、スクールアイドルの方も頑張らないとね」

曜「流石にみんな帰ってるかなー」

曜「……ん？」

曜「あれ、部室の電気付いてる？」

曜「付けっ放し……じゃないよね？」

曜「誰が残ってるんだろう」

曜「ただいまー！」

梨子「あ、お帰りなさい、曜ちゃん」

曜「残ってたの梨子ちゃんだったんだ」

梨子「うん。ちょっとね」

曜「こんなに遅くまでどうしたの？何かあったの？」

梨子「えーと、実は……」

梨子「…………」

梨子「……曜ちゃんと、二人きりになりたくて｣ﾃﾚｯ

曜(い、今のどういう意味！？///)

梨子「いや……だった？｣ﾃﾚﾃﾚ

曜「い、いやじゃない……けど///」

曜(も、もしかして……そういう意味なの？///)

曜(ど、どうしよう、返事とかしないといけないのかな)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

曜(でもまだ告白されたわけじゃない……んだよね)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

梨子「……ふふふっ｣ｸｽｸｽ

曜「え？」

梨子「冗談よ、曜ちゃん｣ｸｽｸｽ

梨子「たまには私も言ってみようかなって」

梨子「曜ちゃんの珍しい姿見れちゃったし、上手くいったのかな｣ｸｽｸｽ

曜「あー、そうだったんだ……」

曜「びっくりさせないでよｰ｣ﾓｰ

曜「梨子ちゃんが私のこと好きなんじゃないかって勘違いしちゃったじゃん」

梨子「……それは、勘違いじゃないよ？」

曜「え？」

梨子「なーんてね♡｣ｸｽｸｽ

梨子「曜ちゃんは疲れ気味みたいね」

曜「うん。飛び込みも最近忙しくて……」

梨子「そっか。それなら早く帰って休んだ方がいいんじゃない？」

曜「そうしようかな……梨子ちゃんはどうするの？」

梨子「私もそろそろ帰ろうかな」

梨子「曜ちゃんにも会えたことだし｣ｸｽｸｽ

曜「むー……」

曜(よし、私もちょっとやり返してやろうっと)ﾆｼｼ

曜「疲れてたけど、梨子ちゃんに会えたからなんだか元気になったよ」

曜「梨子ちゃんはもしかしたら天使なのかもね」

梨子「大袈裟すぎだよ｣ｸｽｸｽ

曜(あんまり効いてない……)

曜(いや、諦めちゃダメだ！)

曜「梨子ちゃんはお淑やかで優しいし……みんなの理想の恋人だよ！」

梨子「曜ちゃんの、じゃないの？」

曜「え！？い、いや、確かに梨子ちゃんのことは好きだし恋人になってくれたら……う、嬉しいけど……｣ｶｧｧ

梨子「ふふ、ありがとう」

梨子「私の理想の恋人も曜ちゃんだよ」

梨子「両想い……だね？」

曜「っ！？」

梨子「なーんてね♡｣ｸｽｸｽ

梨子「冗談よ、曜ちゃん♡｣ｸｽｸｽ

梨子「曜ちゃん可愛い♡」

曜「もう、あんまりからかわないで｣ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

梨子「ごめんね、あんまりにも曜ちゃんが可愛くて」

梨子「それに、今のは曜ちゃんが私をからかおうとしたんだからおあいこでしょ｣ｸｽｸｽ

曜「ぅ……」

梨子「それじゃあそろそろ帰ろっか？｣ｽｯ

曜(軽くあしらわれちゃった……)

曜(くぅ……梨子ちゃん強すぎるよ)

曜(ええい、こうなったら破れかぶれ！)

曜 ｽｯ

梨子「……？曜ちゃん、どうかしーー

ﾄﾞﾝｯ！

曜「待ってよ、梨子ちゃん」

梨子「き、急にどうしたの？壁ドンなんかして……｣ﾄﾞｷﾄﾞｷ

曜「私が全部冗談で言ってると思う？」

梨子「よ、曜ちゃん……？」

梨子「え、えっと、今のは私もびっくりしたから、これでおあいこにしよ？」

梨子「ほら、早く帰らないと守衛さんにおこーー」

曜「梨子」

曜「私の女になれ｣ｱｺﾞｸｲｯ

曜(梨子ちゃんの好きな壁ドンとアゴクイ)

曜(この最強コンボなら少しくらい動揺するはず)

曜(さあさあ少しくらい照れてくれていますかな)ﾆｼｼ

梨子「…………｣ｳﾂﾑｷ

曜(！？り、梨子ちゃん顔が真っ赤になってる！？)

曜(ま、まずい、何か言わなきゃ！)

曜「……返事は？」

曜(って何言ってんのバカ曜！？)

梨子「…………っ…………は…………ぃ……｣ｶｵﾏｯｶ

梨子「…………///｣ｳﾂﾑｷ

曜(ど、どうしようこの状況……)

曜(すっごい気まずい///)

曜(……ここは三十六計逃げるに如かず！)

曜「あ、あはは、なーんてね、冗談だよ！」

曜「それじゃあ私も帰るね！」

曜「またね！梨子ちゃん！」

ﾀﾀﾀﾀ

ﾊﾟﾀﾝ

梨子「……………」

ﾍﾀｯ

ﾍﾟﾀﾝ

梨子「っ、っ、っ､｣ｸﾁｵｻｴ

梨子「私……曜ちゃんのものにされちゃった……///」

ーーー
ーー
ー

曜ママ「朝ご飯できたわよー」

曜「はーい」

曜「いただきまーす」

ﾊﾟｸﾊﾟｸﾓｸﾞﾓｸﾞ

曜(昨日のあれのせいであんまり眠れなかった……)

曜(あそこであんなに照れるなんて反則だよ……反則級の可愛さだよ……)

曜(今日どんな顔して梨子ちゃんに会えばいいんだろう)

曜(……梨子ちゃんはあんまり気にしてないんだろうなぁ)

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

曜ママ「はーい｣ｽﾀｽﾀ

曜ママ「……曜！お友達よ！」

曜「友達？」

曜「誰だろう……？｣ｽﾀｽﾀ

曜「おはヨーソ……って梨子ちゃん！？」

梨子「おはヨーソロー、曜ちゃん｣ﾆｺｯ

曜「この辺りで朝練とか……じゃないよね？」

梨子「そんなんじゃないよ」

梨子「それに、私が来てもおかしくないでしょ？」

曜「え？」

梨子「だって私は曜ちゃんの恋人なのよ」

梨子「だから迎えに来てもおかしくないでしょ？」

曜「うぇっ！？///」

梨子「……昨日の曜ちゃんの告白、凄く嬉しかった｣ﾃﾚｯ

梨子「不束者ですがよろしくお願いします｣ﾃﾚﾃﾚ

曜「ま、待って！昨日のあれは冗だーー」

梨子 ｼﾞﾜｯ

曜「っ！？」

梨子「……そう、だよね。曜ちゃんが、私なんかを好きになるわけないよね｣ｳﾙｯ

梨子「それなのに……私……一人で舞い上がって……｣ｳﾙｳﾙ

曜「ち、違うよ！梨子ちゃんのことは大好きだよ！」

曜「ただ、えっと、昨日のは告白だけど告白じゃなくて、もっと、ちゃんと、えっと､｣ﾜﾀﾜﾀ

梨子「……くすくす」

曜「……え？」

梨子「なーんてね、冗談よ、曜ちゃん♡」

曜「……ふー、もう、朝からびっくりさせないでよ！」

曜「物凄く焦っちゃったんだから！」

梨子「でも元はと言えば曜ちゃんが壁ドンしたのがいけないのよ？」

曜「それを言われると……」

曜(あれ、元はと言えば梨子ちゃんの冗談が原因じゃ……？)

梨子「曜ちゃん、そろそろ学校行こ？」

梨子「バス乗り遅れちゃうよ｣ｸｽｸｽ

ーーー
ーー
ー

曜「！あ、朝練でこっちまで走って来たらしいよ！」

曜「そうだよね、梨子ちゃん？」

梨子「？制服と鞄持って朝練なんてしないわよ？」

梨子「おかしな曜ちゃんね｣ｸｽｸｽ

曜「えっ？」

曜(あれ？誤魔化さないの！？)

曜(それじゃあなんて善子ちゃんに説明を……)

善子「え？」

曜「えっ！？」

善子「ってなんで曜さんまで驚いてるのよ！」

曜「い、いやー……梨子ちゃんの冗談に驚いちゃって……｣ｱﾊﾊ

善子「あー、冗談だったんだ……ふっ、この堕天使ヨハネを驚かせるなんて、リリーもなかなかやるわね」

梨子「冗談じゃないわよ、ね、曜ちゃん」

梨子「昨日あんなに熱い告白をしてくれたんだもん」

曜「！？」

梨子 ﾆｺﾆｺ

曜(もしかして怒ってる？)

曜(昨日のことまだ根に持ってます！？)

善子「熱い告白？へー、どういうことか話してもらおうじゃない」

曜「し、してないよ！ほら、梨子ちゃんもそろそろ落ち着いて、ね？」

梨子「おかしいわね……私はちゃんと聞いたんだけど」

梨子「確か……」

梨子「『梨子、私の女になれ』｣ｲｹﾎﾞ

曜「っ〜〜〜///｣ｶｧｧｧｧｧ

善子「曜さんて意外と肉食系なのね｣ﾎﾍｰ

曜「ち、違うよ///」

善子「まあいいわ。私のリトルデーモン達の新しい恋の旅路……このヨハネが認めてあげるわ！」

曜「待って、違うから！違うから！」

善子「え？何が？」

曜「別に私と梨子ちゃんは付き合ってないから！」

善子「そうなの？」

梨子「ふふ、冗談よ。ごめんね」

善子「……ふっ、リトルデーモンのくせにこの堕てーー」

梨子「でも……私は本当に曜ちゃんと付き合いたいな」

曜「ふぇっ！？///」

梨子「くすくす♡冗談よ、曜ちゃん♡」

梨子「何回でも引っかかってくれる曜ちゃんも大好きだよ」

善子「ふーん……よく分かんないけど、リリーの方が強いのね」

曜「！」

梨子「そんなのじゃないよ。ただ、曜ちゃんが可愛いだけ」

曜「！！」

善子「二人が付き合ったら、曜さんはリリーのお尻に敷かれそうね」

曜(だ、だめだ！このまま行くとずっと梨子ちゃんにからかわれ続けちゃうかもしれない！)

曜(こうなったらこっちも反撃をしてやる！)ｽｯ

梨子「きゃっ！？」

曜「悪い子だね……私のことをからかうなんて」

梨子「っ///」

曜「今夜うちに来い」

曜「たくさんお仕置きしてやるよ」

梨子「っっっっっっっ〜〜〜〜〜〜〜〜｣ｿﾞｸｿﾞｸｿﾞｸｯ

曜「……梨子ちゃん？」

梨子 ﾌﾟｼｭｰ

善子「ちょ、リリーが気を失ってるじゃない！」

善子「曜さん何してるのよー！」

曜「ええぇぇ！？私が悪いのこれ！？」

善子「一回落ち着いて早く人工呼吸しないさいよ！」

曜「善子ちゃんこそ落ち着いて！」

善子「善子じゃなくてヨハネよーーー！！！」

ーーー
ーー
ー

曜「あのー……梨子ちゃんまだ怒ってますかー……？」

梨子「つーん」

曜「いや、その……私も悪かったと思うよ？」

曜「でもバスの中に梨子ちゃんおいておくわけにはいかなくて……ね？」

曜「おんぶしてくるしかなかったの」

曜「いや、うん、梨子ちゃんがそのせいで恥ずかしい思いをしてるのは重々承知でありますけど」

曜「そろそろお昼ですし許してもらえないでしょうか……？｣ｵｿﾙｵｿﾙ

曜「恥ずかしかったから、だよね？」

梨子「違うわ。おんぶしたことよ」

梨子「私はお姫様抱っこがして欲しかったのに」

曜「え？」

梨子「曜ちゃんの中では……私はお姫様じゃないってことなんだよね」

梨子「私……曜ちゃんに嫌われてるのかな」

曜「っ、そんなことない！」

曜「梨子ちゃんはとっても可愛いお姫様だよ！」

曜「そんな梨子ちゃんが私は大好き！」

梨子「……ふふっ、ありがとう、曜ちゃん」

梨子「でも……みんなの前でそんなこと言われると照れちゃうわ｣ﾆﾔｯ

曜「え？」

ｻﾞﾜｻﾞﾜ

「あれか、君は私だけのお姫様っていう」

「ちくわ大明神」

「真昼間から青春だなー」

曜「ぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！///｣ｶｵﾏｯｶ

梨子「くすくす♡」

梨子「別に怒ってなんてなかったの♡」

梨子「冗談よ、曜ちゃん♡」

曜「ぅぅぅぅぅぅぅ｣ｱﾀﾏｶｶｴ

梨子「どうしたの、千歌ちゃん」

千歌「いや、そろそろお昼食べないかなーと」

千歌「こんな注目浴びてるところで食べるのもあれなんだけど」

梨子「ごめんね、千歌ちゃん。曜ちゃんが意地悪するからつい」

千歌「曜ちゃんは乙女心が分かんないからねー」

曜(なんで私が悪いことになってるの……)ｼｸｼｸ

曜「あ、しまった！梨子ちゃんを宥めるのに必死で忘れてた！」

曜「先に食べてて、買ってくるから！」

梨子「待って、曜ちゃん」

曜「ん？なに？」

梨子「えっとね……曜ちゃんのためにお弁当作ってきたの｣ｽｯ

曜「えっ！？な、なんで！？」

梨子「だって……わ、私……曜ちゃんの……恋人……だから……///｣ﾃﾚﾃﾚ

曜「っ///｣ｶｧｧｧ

梨子「なーんてね♡」

梨子「また引っかかっちゃったね、曜ちゃん♡｣ｸｽｸｽ

曜「ぅぅぅぅぅ///｣ﾌﾟｼｭｰ

梨子「ちょっと意外かも｣ﾂﾝﾂﾝ

曜「……もう好きにしてくださいであります｣ｸﾞﾃｰ

千歌「おお、珍しく曜ちゃんが干からびてる」

曜「どうせ私は梨子ちゃんに勝てませんよーだ｣ﾌﾟｸｰ

梨子「ふふ、そんなに怒らないで、曜ちゃん」

梨子「はい、お弁当♡｣ｽｯ

曜「え？」

梨子「今日はたまたま多く作りすぎちゃったの」

梨子「だから、曜ちゃんが食べてくれると嬉しいな」

曜「……そういうことなら///」

曜(梨子ちゃんの手作り弁当///)

曜(こ、これじゃあ本当の恋人みたいだよ///)

曜「……あ、梨子ちゃん、箸ってある？」

梨子「ええ、あるわよ」

梨子「一膳だけ……ね♡」

曜「へ？」

梨子「はい、あーん♡｣ｽｯ

ーーー
ーー
ー

曜「…………｣ｸﾞﾀｧ

梨子「曜ちゃん、そろそろ元気出して｣ﾕｻﾕｻ

曜「どうせ私は腑抜けですよｰ｣ﾌﾃｸｻﾚ

曜「梨子ちゃんに負け負けの負けですよー」

梨子「ごめんね、可愛い曜ちゃんが見たくてちょっとだけ調子に乗っちゃったの」

梨子「ね、許して？」

曜「怒ってませんよーだ｣ﾌﾟｸｰ

梨子「まさか先に練習行っちゃうなんて……」

曜「梨子ちゃんなら簡単にチョッロチョロな渡辺さんを引っ張ってこれると思ったんじゃないの？｣ﾌﾟｸｰ

梨子「もー……曜ちゃんもいつまでも拗ねないで｣ﾕｻﾕｻ

曜「拗ねてませんよー。梨子ちゃんのせいでみんなに真っ赤になるところを何回も見られたけど拗ねてませんよー」

梨子「ご、ごめんね……」

曜「ふーん｣ﾌﾟｸｰ

梨子「どうしよう……｣ｱﾜｱﾜ

曜(でも、これも全部梨子ちゃんが悪いんだよ！)

曜(お昼ご飯だって結局全部あーんで食べさせられたし)

曜(別に嫌じゃないし……嬉しかったけど……みんなの前でなんて凄く恥ずかしかったんだから///)

梨子「ほ、ほら、早く練習行かないとみんなが困っちゃうよ？」

曜「今日はお休みするでありまーす｣ﾂｰﾝ

梨子「もー……」

梨子「曜ちゃん、どうしたら機嫌なおしてくれるの？」

曜「……うーん｣ｸﾞﾃｰ

曜「梨子ちゃんが本当に恋人になってくれたらなおすー」

曜(この際だしもうちょっと困らせちゃおっと)

曜「はー……梨子ちゃんは可愛いなー」

曜「本当に恋人になってくれないかなー」

梨子「……曜ちゃん」

曜「ん？なーに？」

梨子「…………っ、あのね」

梨子「…………好き、です」

梨子「曜ちゃんのことが……好き」

梨子「冗談って言ってたけど、本当は、その、全部……照れ隠しだったの」

梨子「…………だからね、曜ちゃん」

梨子「わ、わ、わたし……とｰｰ｣ﾏｯｶ

曜「っ、ぁ、わ、わかった！///」

曜「梨子ちゃんまた騙そうとしてるでしょ！///」

曜「告白するフリして『冗談よ、曜ちゃん』って！」

曜「もう騙されないんだからね！」

梨子「…………っ、」

梨子「もう見破られちゃったかな｣ｱﾊﾊ

曜「ふっふっふー、もう騙されないからねー」

曜「梨子ちゃんの冗談はもう完全に見抜いたんだから！」

梨子「…………そっか」

曜「……梨子ちゃん？」

曜(なんで、そんな悲しそうな顔してるの？)

梨子「もう曜ちゃんには冗談言えないなー……」

曜(……私が、させたんだ)

曜(っ、このバカ曜！)

梨子「よし、それじゃあ曜ちゃんも元気になったし、早く練習行こう？｣ﾆｺｯ

梨子「ほらーー」

ｷﾞｭｯ

梨子「……え？」

曜「梨子ちゃんに恋人になって欲しいって、本気で思ってる」

梨子「……嘘」

曜「嘘じゃない」

曜「本気の証拠……見せてあげる｣ｽｯ

ﾁｭｯ

梨子「っ、っ、っ、///｣ｶｵﾏｯｶ

曜「……梨子ちゃん、顔真っ赤になってるよ///」

梨子「よ、曜ちゃんだって……///」

曜「ぅ……し、しまらないなぁ///」

曜「えーと……」

曜「……返事、欲しいな」

梨子「…………うん」

梨子「不束者ですが、宜しくお願いします｣ﾆｺｯ

ーーー
ーー
ー

曜「どうしたの？」

梨子「き、今日は曜ちゃんのお家に行っていいの？///」

曜「私の家？なんで？」

梨子「バスの中で……来いって///」

梨子「お、お仕置きされちゃうんだよね｣ﾄﾞｷﾄﾞｷ

曜「し、しないよ！///」

梨子「……そ、そうなの？」

梨子「よ、曜ちゃんがしたいなら……いいよ？」

曜「……え？｣ﾄﾞｷｯ

梨子「曜ちゃんが……したいなら……｣ｳﾂﾑｷ

曜「っ……」

曜「……したい、かも」

梨子「……曜ちゃんのえっち｣ｼﾞﾄｯ

曜「うっ///」

梨子「すぐにえっちなこと考える曜ちゃんなんて嫌いです｣ﾌﾟｲｯ

曜「冗談だから、本当！」

曜「梨子ちゃんの恥ずかしい姿見たいなーとか思ってないから！信じて！」

梨子「つーん」

曜「梨子ちゃーん、嫌わないでｰ｣ｳﾙｳﾙ

梨子「…………くすっ」

梨子「全くもう、私が曜ちゃんを嫌いになるわけないでしょ」

梨子「冗談よ、曜ちゃん」