千歌「後ろの正面だあれ?」

1 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:32:47.73 ID:YBdvM4H4.net

かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?

諸説ある『かごめかごめ』
果たしてどれが本当なのでしょうか。
それとも、全て嘘?
真実は必ずしも世の中に出回っているとは限りません。
耳をすませば今宵もどこかであの歌が聞こえるでしょう?
ほら、今も……。

2 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:33:27.01 ID:YBdvM4H4.net

―――

千歌「ねぇ梨子ちゃん、かごめかごめって知ってる?」

梨子「かごめかごめ…童話のやつ?」

千歌「そうそう!」

梨子「それがどうしたの?」

千歌「あれをね、夜中に一人でやると異世界に連れていかれちゃうんだって!」

梨子「異世界に?」

千歌「あー信じてないなー?」

3 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:34:10.04 ID:YBdvM4H4.net

ガラッ

曜「お待たせーなんの話?」

千歌「曜ちゃんおかえりー。あのね、かごめかごめを夜中に一人でやると異世界に連れていかれるって話!」

曜「……それ、誰から聞いたの?」

千歌「美渡姉!」

曜「あはは…なるほど」

梨子「だいたい、かごめかごめって一人じゃできなくない?」

千歌「むむ…たしかに」

4 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:34:35.90 ID:YBdvM4H4.net

曜「一人かくれんぼとかは聞いたことあるけど…」

千歌「それだ!」

曜「へ?」

千歌「人形を使えばいーんだよ!」

曜「いやいや…まさか、本気でやる気なの?」

千歌「嘘じゃないってしょーめい!」

梨子「やめた方がいいと思うけど…」

千歌「大丈夫大丈夫!ひとりかくれんぼとかもやってみた!みたいな動画あるし…まぁ暇つぶしみたいな!」


スポンサーリンク

5 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:35:05.61 ID:YBdvM4H4.net

曜「いや、でも…」

千歌「へーきだって!」

梨子「怖いことになっても知らないわよ?」

千歌「もー心配性だなぁ」

曜「……やっぱり、やめた方がいいよ。なんだか…怖いし」

千歌「えー……そう?」

曜「うん…千歌ちゃんいなくなっちゃったら……怖いよ」

千歌「そっ…か……」

6 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:35:31.14 ID:YBdvM4H4.net

梨子「曜ちゃん…もうバス来る時間だよ?」

曜「あ、ほんとだ!ばいばい!」

梨子「うん、また明日!」

曜「千歌ちゃん、ほんとに……しちゃだめ、だよ…?」

ガラッ

千歌「……」

梨子「千歌ちゃん…どうしたの?うつむいて……」

千歌「ううん、なんでもない」

7 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:35:59.65 ID:YBdvM4H4.net

梨子「え?でも」

千歌「なんでもない、なんでもないから」

梨子「…っ」ゾクッ

千歌「えへへ、なんてね!」ニコッ

千歌「なーんか変な空気になっちゃったねー!もう少しうちにいるでしょ?」

梨子「う、うん…」

千歌「追加のおかし持ってくるから待っててね!」

ガラッ

梨子「ありがと…う…?」

梨子(なんだか千歌ちゃん……変?)

8 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:36:25.54 ID:YBdvM4H4.net

千歌「……」テクテク

千歌「かーごめかーごめ…かーごのなーかのとーりーはー……」ブツブツ

千歌「うーむ…やっぱり、気になるなぁ」

千歌「あ、チョコパイある!」

千歌「……」テクテク

ガラッ

千歌「持ってきたよー」

梨子「ありがとー」ジッ

千歌「ん?」

9 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:36:52.32 ID:YBdvM4H4.net

梨子「いや……なんでもないよ」

千歌「そーお?」

梨子「…うん」

梨子「私…やっぱりもう帰ろうかな」

千歌「ん、そっか。また明日ね」

梨子「うん。千歌ちゃん、あのね」

千歌「なぁに?」

梨子「かごめかごめ…やらない、よね?」

千歌「……やらないよ?」

10 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:37:17.15 ID:YBdvM4H4.net

梨子「…それなら、いいんだけど」

千歌「どうして二人ともそんなに止めるの?ただのお遊びなのに…」

梨子「千歌…ちゃん……?」

千歌「あーもう、やらない、やらないよ!そんな顔しないでってばー…」

梨子「……また明日、ね」

千歌「うん、ばいばーい」

ガラッ

11 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:37:43.51 ID:YBdvM4H4.net

千歌「……」カタカタ

地域によって歌詞が変わるらしい。
後ろの正面だったり、後ろの少年だったり。
鍋の底が抜けたり?
私が知ってるやつは……
『かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?』…これだ。
解釈の仕方にもいろいろあって、なんだかどれも嘘くさい。
どのサイトを見ても同じようなことばかりで、美渡姉の言っていた異世界、なんて言葉はどこにもなかった。
やっぱり、美渡姉に騙されたのか。

12 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:38:09.74 ID:YBdvM4H4.net

千歌「……」チラッ

千歌(一昨年の誕生日プレゼントで曜ちゃんに買ってもらったくまのぬいぐるみ…)

千歌(……いやいや、やらないよ?)

チカーゴハンダヨー!

千歌「はーい!」

千歌(………やらないってば)

ガラッ

トテトテ

13 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:38:42.06 ID:YBdvM4H4.net

美渡「遅いぞ千歌」モグモグ

千歌「ちょ、それ私の唐揚げだよね!?」

美渡「遅いのが悪い」

千歌「むっ……そういえば美渡姉また嘘ついたでしょ!」

美渡「嘘?」

千歌「かごめかごめのやつ!」

美渡「嘘じゃないよ。あれ志満姉から聞いたやつだし」

志満「んー?私、そんな話したっけ?」

14 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:39:08.60 ID:YBdvM4H4.net

美渡「えー、覚えてないの?ほら、千歌がまだ小学生くらいのときにさー」

志満「あれは千歌にいじわるばかりする美渡ちゃんをこらしめるための嘘だったけど…」

美渡「まじかよ!ずっと騙されてたー!」

千歌「ぷぷっ!かっこわるー」

美渡「騙されてた私に騙されてた千歌はもっとかっこ悪いぞ」ムニーッ

千歌「いふぁいれふ」

志満「ほらほら、早く食べちゃって!」

千歌「はーい」

15 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:39:31.48 ID:XzFPBIas.net

ホラー来たか
かごめかごめの歌詞の意味怖いんだよなー

16 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:39:54.05 ID:YBdvM4H4.net

ほら、やっぱり。
よく考えたらおかしいと思ったんだよ。
だって、異世界、って……もしそれが本当なら、一体誰がそれを伝えたんだってことになるよね?
どうやって戻ってきたんだ!って…。
なのに、どうしてだろう。
私は――どこかワクワクしているんだ。
好奇心って、怖い。
なんでもできちゃうような気がする。

千歌「ごちそうさまー」

17 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:40:26.47 ID:YBdvM4H4.net

足早に部屋に向かう。
調べても出てこなかったから、自分で考えろってことなのかな。
人形を囲んで…歌えばいいのかな?
深夜って、何時?
やっぱり丑三つ時…深夜2時、かな。
……よし。
1時50分にアラームを設定して、ベッドに潜り込んだ。

18 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:40:52.11 ID:YBdvM4H4.net

ピピピピ

時刻は1時50分。
みんなも寝静まって、辺りに聞こえるのは虫の声だけ。
夏の深夜独特なひんやりとした空気が私を包んで心地良い。
ベッドの横に待機させておいたくまのぬいぐるみを持ち上げて、部屋の真ん中に置いた。
ゆっくりとその周りを回り、小さな声で歌い始める。

19 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:41:19.93 ID:YBdvM4H4.net

千歌「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?」

20 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:42:13.28 ID:YBdvM4H4.net

……もちろん、何も起こらない。

千歌「だよねぇ…はぁ、なんか喉渇いちゃった」

ガラッ

千歌「…………え?」

千歌「なんで……空、赤いの…?」

千歌「ぁ…なに、これ……っ」ゾワッ

ガラッ

千歌「っは……?」

千歌「なに、なになになに!?」

千歌「美渡姉の……嘘、じゃ…」

ピロンッ

千歌「ら、LINE…?」

21 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:43:13.10 ID:YBdvM4H4.net

YOU:タ魎ホ、チ、网�「、荀テ、ニ、ハ、、、隍ヘ。ト。ゥ

YOU:縺ゥ縺・@縺溘・・滓悃邱エ縺ォ繧よ擂縺ヲ縺ェ縺九▲縺溘¢縺ゥ縲る「ィ驍ェ縺九↑・溷ソ・・縺ァ縺吶?

22 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:43:44.28 ID:YBdvM4H4.net

千歌「ひっ…!」ブンッ

ガタッ

千歌「な、に…なんで……」ドッドッドッド

千歌「やだ…助けて、助けて……曜ちゃん…っ」ガタガタ

23 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:44:18.17 ID:YBdvM4H4.net

―――

千歌「……」

千歌「………外、行って…みよう、かな」スッ

千歌「すぅ…はぁ…だい、じょうぶ……大丈夫…」

千歌「……空の色がおかしいくらいで、あとは…」キョロキョロ

ギシッ…ギシッ…

千歌「なんか……古い、のかな…」

パチッ

千歌「電気、つかない…見えなくは、ない、けど……」

24 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:44:50.98 ID:YBdvM4H4.net

千歌「………ぁ……れ?」

千歌「く ま の ぬ い ぐ る み ど こ 行 っ た の ?」

千歌「ぅぁ…気付きたくなかった……」ゾクゾクッ

千歌「むり……やだ、怖いよ…」ヘタッ

ャン…チ……チャン…チカチャン……

千歌「よ、曜ちゃん…?それに、梨子ちゃんの声、も…」

チカチャン!?コッチ? スグイクカラネ!

千歌「よか、ったぁ……っ」グスッ

千歌「早く、来て……曜ちゃん…梨子ちゃん……っ!」

25 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:45:20.45 ID:YBdvM4H4.net

―――――
―――
曜「む…だめだぁ」

梨子「千歌ちゃん、どうしたんだろ…無断で休むなんて……」

曜「……もしかして、昨日の…」

梨子「そうだとしても…異世界、だなんて」

曜「だよねぇ…LINE入れとこ」

曜「千歌ちゃん、大丈夫?どうしたの?朝練にも来てなかったけど。風邪かな?心配です。っと……送ってから気付いたけどさ…なんか、重くない?」

梨子「それも曜ちゃんなりの愛でしょ?」

曜「いや、愛では…って、あれ?既読ついた!?」

26 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:45:50.23 ID:YBdvM4H4.net

梨子「え、ほんと?」

曜「グループLINEも梨子ちゃんの個人もダイヤさんの個人もだめだったのに…やっぱり幼なじみパワーですかな?」ニヤニヤ

梨子「はいはい…それにしても返信遅いね?千歌ちゃん、タイピング早いのに…」

曜「これはまさか…」

梨子「未読スルー?」

曜「嘘だ…千歌ちゃんに限ってそんなこと……!」

27 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:46:16.20 ID:YBdvM4H4.net

プルルルル

梨子「千歌ちゃん?」

曜「ううん……志満さん、だ」

梨子「千歌ちゃんのお姉さん……?」

曜「もしもし…志満さん、どうしたんですか?」

曜「………え?」

曜「いや、うちにも来てないですし、Aqoursのみんなも知らないみたいで……」

曜「スマホ…あ、さっきLINEの既読はつきました!返信は来てないんですけど……はい、はい…」

曜「わかりました…はい、もちろんです。……はい、失礼します」

28 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:46:46.22 ID:YBdvM4H4.net

梨子「……なんだったの?」

曜「千歌ちゃんが……いなくなったんだって」

梨子「い、いなくなった…って」

曜「靴も鞄もお財布も…家にあるみたい。ただ、スマホがないだけで……」

梨子「靴も……?じゃあ、裸足でどこかに行ったってこと?」

曜「も、もし…もしもだよ?」

曜「千歌ちゃんが『かごめかごめ』をやっていたら……?」

梨子「………異世界、だなんて」

29 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:47:26.88 ID:YBdvM4H4.net

ピロンッ

梨子「千歌ちゃん!?」

曜「い、いや…グループLINEだよ?」

Aqours(9)

YOU:逡ー荳也阜縺九i蟶ー繧区婿豕輔r隱ー縺具シ?

黒澤ダイヤ:壮大な文字化けですわね…

†堕天使ヨハネ†:どうしたのよ

曜「……は?」

30 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:47:58.02 ID:YBdvM4H4.net

梨子「曜、ちゃん…?え、でも今スマホ触ってなかったよね?それに、文字化け……」

曜「なっ…なに、これ……」

曜「絶対……普通じゃ、ない…」ゾクッ

ルビィ「あ、い、いた!曜さん!」

善子「ちょっと、さっきの……って、顔真っ青…どうしたの?」

曜「わたし…送って、ないの」

善子「…はぁ?」

31 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:48:24.40 ID:YBdvM4H4.net

曜「通知来て、開いたら……それに、千歌ちゃんもいなくなっちゃ、って…!」

ルビィ「え?千歌、さんが……?」

曜「異世界に……連れていかれちゃったんだ…どうしよう、私がちゃんと止めなかったから……私の、せいで…」

花丸「異世界…って?」

梨子「……千歌ちゃんが昨日…『かごめかごめ』を夜中に一人でやると異世界に連れていかれる、って話をしてて……」

梨子「やけに乗り気で…止めたん、だけど……たぶん、やっちゃったんだと…思う」

32 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:49:02.86 ID:YBdvM4H4.net

花丸「かごめかごめって……あの、子どもの頃遊びでやってたやつ?」

梨子「う、うん…」

ルビィ「異世界に連れていかれるなんて…聞いたことないよぉ…」

曜「千歌ちゃん…ごめん、ごめんなさい……千歌ちゃん…っ」

善子「ちょ、落ち着きなさいよ…!とりあえず今は千歌を探さないとでしょ?どこかにいるかもしれないんだし」

曜「ぁ…ごめ……善子、ちゃん」

善子「……」

善子(曜の、異常なまでの千歌に対する依存心は……たまに怖くなる)

33 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:49:28.27 ID:YBdvM4H4.net

花丸「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に つるつる滑った 鍋の鍋の底抜け 底抜いてたもれ…」

ルビィ「え?鶴さんと亀さんじゃないよ?それに…後ろの正面だーあれ?って……言わない?」

花丸「え、そうなの?オラがじいちゃんに教えてもらったのはこっちだったずら」

梨子「私が知ってるのは……」

梨子「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?」

曜「……うん、私もそれ…」

34 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:51:17.18 ID:YBdvM4H4.net

花丸「知らなかった…なんていうか…すごい、鳥肌が……」

ルビィ「え?そうかな?」

花丸「こ、怖くないの……?鶴と亀が滑る、って…すっごく縁起悪いらしい、よ……」

梨子「そうなんだ……たしかに、この曲は怖いよね…。夜中になんて、絶対歌いたくない」

曜「うん…普通は、そうだよ……」

善子「どうして千歌は、やろうと思ったの……?」

35 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:51:44.65 ID:YBdvM4H4.net

ルビィ「とりあえず…お、お姉ちゃんたち呼びませんか……?」

梨子「そうだね!LINEで…」

Aqours(9)

桜内梨子:至急部室にお願いします。千歌ちゃんがピンチです

黒澤ダイヤ:もうすぐ授業ですが…ピンチなら仕方ありません。すぐに向かいます。

36 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:52:27.88 ID:YBdvM4H4.net

梨子「…あ、授業……」

曜「それどころじゃないよ!」

梨子「そうだけど…むつちゃんたちに写させてもらわないとね」

善子「緊急事態だし…先生たちもわかってくれるでしょ。………たぶん」

花丸「オラたちも部室に向かおう?」

ルビィ「うん、そうだね…」

37 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:52:32.71 ID:tVywoSdD.net

ホラーか
支援

38 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:53:07.21 ID:YBdvM4H4.net

寝ます

39 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:55:37.23 ID:IW7YK7IW.net

続き待ってる

40 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:55:59.41 ID:UFPgMx3M.net

ホラーいいね

41 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 05:01:40.10 ID:pLymP2mn.net

千歌ちゃんが怖い目にあってると興奮する

43 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 05:26:44.45 ID:0yGIWcuH.net

バッドエンド想像すると果てしなく怖い

47 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 08:24:32.57 ID:3SHrbbeL.net

ホラー系好きやわ、ゾクゾクする

48 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 08:24:58.51 ID:3SHrbbeL.net

こわいにゃ>ω<

51 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 11:08:58.54 ID:P7Nydxe+.net

いいぞ支援
暑くなってきたからホラー系読みたかった

52 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:22:11.63 ID:YBdvM4H4.net

―――

ダイヤ「それで、どうしたんですの?」

鞠莉「さっきの文字化けとなにか関係が?」

果南「千歌がピンチって……どういうこと?」

梨子「順に説明しますね――」

53 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:22:38.08 ID:YBdvM4H4.net

果南「……かごめかごめで異世界に?」

ダイヤ「にわかには信じられませんが……なにか、文献を調べてみましょうか」

鞠莉「umm…インターネットにはそれらしいものは載ってないわね」

花丸「やっぱりこういうのは本が一番ずら!」

果南「じゃあ図書室?」

ダイヤ「いえ、それよりも――」

54 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:23:04.78 ID:YBdvM4H4.net

曜「おぉ……すごい本の量…さすが黒澤家だね…」

ダイヤ「地域史に関する本はこちらの棚ですわね」

ダイヤ「童謡は……確か、こちらに…」

果南「こ、こんなに…?」

曜「早く、見つけないと…」パラパラッ

梨子「そうだね……千歌ちゃん、泣いちゃってるかもしれないし…」パラパラッ

鞠莉「〜夜明けの晩に…」

鞠莉「……夜明けの晩、っていつなのかしら」

55 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:23:38.09 ID:YBdvM4H4.net

ダイヤ「夜明けの…晩?夜が明けているのに晩、だなんておかしいですわね…」

花丸「存在しない時間、ってことなのかなぁ」

曜「存在しない、時間…」

梨子「さっきの、曜ちゃんから送られたLINEも…もし、いつかの曜ちゃんが千歌ちゃんと同じ異世界に行ってしまって…存在しない時間の中にいたと、して…」

梨子「時空が歪んで、さっき送られてきた…ってことは考えられない?文字化けも、こっちの世界と向こうの世界では時空が違うから文章がちゃんと送れない……みたいな」

曜「い、いやいや…待ってよ。もしそうだとしたら……私、いつ異世界に……」

果南「AqoursのLINEに送られてきたから…Aqoursが活動を始めてから……ここ3.4か月くらいになるね」

曜「いや…私、かごめかごめなんてやってないよ……」

梨子「うーん…まぁ、仮説だし……ね?」

56 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:24:04.02 ID:YBdvM4H4.net

善子「一度、歌詞の意味…考えてみない?もしかしたら、今のみたいに発見があるかもしれないし」

ルビィ「賛成!えーと、じゃあ最初から…かーごめかごめ…」

果南「囲め囲め?」

ダイヤ「訛りだとしたら…屈め…とか?」

梨子「メモ取っておくね」カキカキ

花丸「籠の中の鳥はいついつ出やる…」

ルビィ「籠の中の…鳥?と、閉じ込められてるとか…」

善子「自由に飛ぶことができない……?」

57 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:24:34.16 ID:YBdvM4H4.net

果南「いついつ出やる……ってのがよくわからないなぁ…いつ出てくるのか?とか…?」

花丸「出やる……出会う、じゃない?」

曜「夜明けの晩に…はさっき出たから……鶴と亀が滑った…も、出たか」

曜「後ろの正面だあれ?」

鞠莉「そのまま…真後ろにいるのはだあれ?ってところかしら?」

梨子「まとめると…」

梨子「囲め囲め(屈め屈め?)自由に飛べない鳥はいつ出会うのか 存在しない時間に 不吉なことが起きた 真後ろにいるのはだあれ?」

58 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:25:00.56 ID:YBdvM4H4.net

ルビィ「ひっ…」ゾワッ

曜「いや、不安は増したし逆効果じゃないかなっ!?」ドキドキ

果南「うーん…これじゃ難しいね。解釈もこれで合ってるかわからないし…」

善子「自由に飛べない鳥ってのもよくわからないしね」

花丸「自分で言ったのに…?」

善子「うっ…悪かったわね」

ピロンッ

曜「………え?」

梨子「どうしたの?」

曜「グループLINE……見て」

59 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:25:53.29 ID:YBdvM4H4.net

Aqours(9)

YOU:??[??A?N??[

60 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:26:28.35 ID:YBdvM4H4.net

善子「二回目…?」

果南「どういう、こと……?」

61 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:26:55.48 ID:YBdvM4H4.net

―――

梨子「全然ないね……」

曜「……」

梨子「……曜ちゃん?わかってると思うけど…」

曜「や、やらないよ!」

ダイヤ「っと…もうこんな時間ですか……みなさん、お泊まりになりますか?」

善子「いや…私は帰るわ。リトルデーモンたちに聞いてみたいし」

ルビィ「あぁ、生放送で…」

果南「私も、おじいが待ってるから…おじいにも聞いてみるね」

62 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:27:21.47 ID:YBdvM4H4.net

花丸「マルは家の古い書物とか探してみるずら」

鞠莉「私は泊まらせてもらおうかしら♪」

梨子「私も、もう少し調べたいので…」

曜「……私も、今日は帰るね」

ダイヤ「それでは…少しの情報でも、なにかわかったらグループLINEにお願いします」

63 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:27:47.83 ID:YBdvM4H4.net

―――

曜「千歌ちゃん…どこ、行っちゃったの……?」グスッ

曜(……私も、あれをやったら千歌ちゃんのところに行けるのかな…)

曜(ぬいぐるみ……あったっけ)

曜(……うちっちーしかないけど、できるよね)

曜(まだ21時過ぎ……ちょっと寝ようかな………えーと、2時くらいにセットして…っと)

64 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:28:18.61 ID:YBdvM4H4.net

2時10分

ピピピピ

曜(……ふぅ)

曜(千歌ちゃん、待っててね。すぐ、そっちに行くから)

曜「かーごめかごめ籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った」

曜「後ろの正面だあれ?」

曜「っ…!」

曜(くらくらして……立ってられないっ!)フラッ

曜(っ……おさまってきた…かな)

65 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:28:46.37 ID:YBdvM4H4.net

曜「………え?」

曜「なん、で…こんな古い、の……?」

ゾクッ

曜「っ!?なんか……すごく、嫌な空気…」

曜「あ、あれ…うちっちー……?」

曜「と、とりあえず……ここを出よう…壊れそうだし」

曜「か、階段…これ大丈夫かなぁ」

ギシッ…ギシッ…バキッ

曜「いっ…!」

66 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:29:16.28 ID:YBdvM4H4.net

曜「ぅぁ…いったぁ…っ」ズキズキ

曜「でもそんなに…深くはない、かな……」

曜「ハンカチを巻いて……っと」ギュッ

曜「痛い、けど………千歌ちゃん、探さなきゃ」フラッ

曜「千歌ちゃんの、家…行ってみよう」

曜「ドア……開かないや」

曜「行儀悪いけど…蹴ったら開く、かな」

曜(怪我してない方の足で……)

ガッ バキッ

曜「……うん、これで出れるね」

67 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:29:47.86 ID:YBdvM4H4.net

曜「なんか…霧?みたいなのが出てるなぁ」

曜「はぁ…怖い……楽しい歌、歌お……」

曜「やあやあ!朝から全開!ねぇねぇみんなもね爽快?やあやあ!なんでもできそうだ!?」

曜「………むなしい」グスンッ

曜「それにしても……なんで、こんなにボロボロなんだろう」キョロキョロ

曜「まるで、何十年も放置されたみたいな…」

曜「い、いや…まさか、ね……?」

曜「ぁ、そうだ…LINE、送ってみようかな」

曜「ポケットに入れてたものは持ってこれるのかな…」

68 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:30:15.48 ID:YBdvM4H4.net

Aqours(9)

YOU:おーい、誰かー

曜「……あ、もしかしてこれって…」

曜「い、いや…未来からLINEが来たっておかしいでしょ」

曜「あれ…でも、二回来てたよね…?」

曜「それに……もし、そうだとしたら…誰にも、伝わらないんだ」ゾクッ

曜「も、やだ……怖いし、足痛いし…」

曜「千歌ちゃん……早く、会いたい…」

69 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:30:45.37 ID:YBdvM4H4.net

曜「………」

曜「千歌ちゃんを見つけて……どうやって、帰るの?」

曜「なにか、なにか見つけないと…」

曜「………海、赤い」

曜「おかしい…絶対、おかしいよ…」

曜「お、お邪魔しまーす……?」

曜「千歌ちゃーん……いるー?」

曜「………だめ、か」

曜「探してみよう…」

70 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:31:11.65 ID:YBdvM4H4.net

ズキッ

曜「ったぁ…結構きつい、なぁ」

曜「そんなに深い傷じゃなかったけど…」チラッ

曜「う、わ…血、垂れてるよ……」

曜「人の家汚しちゃったよ…って、誰もいないんだけどね」

曜「………千歌ちゃんは、ここに来た訳じゃないの?」

曜「どうして?」

曜「わたし、千歌ちゃんと同じことしたはず…だよ、ね?」

71 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:31:38.81 ID:YBdvM4H4.net

曜「ぅぁ…っちか、ちゃ…」グスッ

曜「………だめ、だめだ」

曜「千歌ちゃんを、助けるんだから」

曜「でも、千歌ちゃんはいなくて…」

曜「どうしよう…せめて、戻る方法がわかれば……」

曜「………あ」

曜「もう一回かごめかごめやったら…戻れるのかな」

曜「やれることは、やろう」

曜「ぬいぐるみ……そうだ、うちっちーは…?」

72 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:32:13.05 ID:YBdvM4H4.net

ガタッ

曜「うわぁ!?」

曜「な、んで…ここに……?」

曜「よ、呼んだ……から?」

曜「………」

曜「かごめかごめ――」

73 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:32:40.97 ID:YBdvM4H4.net

プルルルル

曜「っ!」

曜「………え?私の、部屋だ…」

曜「ゆ、め…?」ズキッ

曜「足……怪我、してる」

曜「夢じゃ、ないんだ……」

曜「ぁ、で、電話!」

曜「も…もしもし?」

梨子【曜ちゃん!?何やってたの!?連絡もしないで!】

曜「へ?れ、連絡って…」チラッ

曜(10時……?な、なんで?夜中じゃ…)

74 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:32:54.69 ID:SfmCp0Aj.net

全然違うんだけどなんか11eyes思い出した

75 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:33:08.22 ID:YBdvM4H4.net

梨子【心配したんだよ!?曜ちゃんまでいなくなったら、私…っ】

曜「ご、ごめん…それで、あの……かごめかごめで、わかったことが少しだけあるから…会える、かな」

梨子【うん…みんなダイヤさんの家にいるから…待ってるね】

曜「わかった…また後でね」

曜「……痛い」ズキズキ

曜「っと…うん、切れてるだけだし……大丈夫かな」

曜「……よし行こう」

曜「千歌ちゃん、もう少しだけ……待っててね」

76 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:33:54.33 ID:/iG2NgLU.net

この雰囲気、きさらぎ駅思い出す…

77 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:35:19.16 ID:YBdvM4H4.net

また夜に投下します
>>2
童話じゃなくて童謡でした…
誤字が所々あるけど脳内補正してくれるとありがたいです


続き:千歌「後ろの正面だあれ?」(2)


元スレ:千歌「後ろの正面だあれ?」 (2ch.sc)






Pocket
LINEで送る

カテゴリー: 2ch.sc, SS, ラブライブ! サンシャイン!! タグ: , , , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です