千歌「後ろの正面だあれ?」(2)


前回:千歌「後ろの正面だあれ?」


90 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:47:59.56 ID:YBdvM4H4.net

曜(なにが…なにが違ったんだろう)

曜(ちゃんと夜中…多分、千歌ちゃんのことだから丑三つ時にやっただろうし…それに、ぬいぐるみも使ったし…同じ歌を歌った)

曜(あの世界じゃないところに千歌ちゃんがいるのか……それとも、もう…)

曜(い、いやそれはないよ)

曜(既読はついたんだから…きっと、大丈夫……)

曜(あと……うちっちーがなんで出てきたのかが…わからない)

曜(助かったけど……普通に怖い)

曜(あのとき真後ろから落ちてきて……?)

91 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:48:33.34 ID:YBdvM4H4.net

曜(後ろの正面だあれ?…ってあれのこと?いや、あのとき歌ってたわけじゃないからそれはおかしいのかな…?)

曜(……あ、着いた)

ピンポーン

ダイヤ「曜さん、どうし…っ!?」

ダイヤ「その、足は…?」

曜「……ちゃんと話す、よ」

ダイヤ「…中へどうぞ」

曜「ありがとう……その、ごめんね」

ダイヤ「いえ…」


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92 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:49:04.09 ID:YBdvM4H4.net

ガラッ

梨子「曜ちゃん!」

曜「えーと…お、お騒がせしましたー…」

ダイヤ「……それで、その怪我は?」

曜「かごめかごめをやって……異世界に行ってきまして…そのときに」

果南「あれだけやるなって言われてたのに…戻れたからいいけど、戻れなかったらどうするつもりだったの…?」

曜「ごめん、なさい…」

93 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:49:30.36 ID:YBdvM4H4.net

ルビィ「それで……千歌さんは…?」

曜「いなかった…もしかしたら、千歌ちゃんが行ったところとは違うのかもしれない…」

善子「……ん?なんで戻ってこれたの?自動で戻ってきたわけじゃないわよね?」

曜「うん…千歌ちゃんが見つからなくて、とりあえず今わかってることだけでもみんなに伝えなきゃって思って…帰る方法考えてて、来たときと同じことを試してみよう!って…」

曜「それで、後ろから私のうちっちーのぬいぐるみが落ちてきて…」

善子「待って待って…うちっちーが落ちてきたの?」

94 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:49:58.56 ID:YBdvM4H4.net

曜「うん。向こうに行ったときはうちっちーがいなかったんだけど…なぜか千歌ちゃんの家で…」

曜「えーと、それで…かごめかごめをやったら……梨子ちゃんからの電話で目が覚めた…みたいな感じかな」

花丸「その世界…なにかおかしなところはあった?」

曜「空気がすごく嫌な感じで…あと、すごく古かった、かな」

曜「海も赤くて…霧が出てた」

梨子「古かった…って?」

曜「何十年も放置されてたみたいで…それで、家の階段で板が割れちゃって…怪我しました」

95 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:50:23.82 ID:YBdvM4H4.net

花丸「い、痛そうずら…」

ダイヤ「夢では…ない、のですね」

曜「あっはは…まぁ、そんなに痛くないし大丈夫!」

花丸「そうだ……古い巻物を見つけたんだ」

梨子「巻物……?」

花丸「うん、天保の大飢饉…って、覚えてる?授業でやったと思うけど…」

曜「江戸時代の飢饉、だったよね?」

96 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:50:49.78 ID:YBdvM4H4.net

花丸「そう。江戸四大飢饉の一つで…この辺りもだいぶ被害があったみたい」

花丸「それで…当時の人たちはどうにかして食い扶持を減らす必要があった。村のお偉いさんたちが集まって決まったのが――小さな子どもたちを減らすこと」

花丸「選ばれた子どもたちは大人たちによって小さな洞窟の中の小さな小さな牢屋に入れられ、そのまま…って書いてあるずら」

善子「あぁ…ってことは、小さいから……屈め屈め…ってことね」

果南「籠の中の鳥は…牢屋に閉じ込められた子ども…?」

97 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:51:26.62 ID:YBdvM4H4.net

花丸「ねぇ、曜さん」

曜「ん…?」

花丸「向こうの世界で…洞窟、見なかった?」

曜「うーむ…いや、見てない…かな」

花丸「そっか…」

ルビィ「ま、まさかとは思うけど…その洞窟に入るわけじゃ…ない、よね……?」

花丸「もし、千歌さんがその子どもたちに取り憑かれていたら…その洞窟にいる可能性が高いかな、って」

鞠莉「ってことは…私たちも、その世界に行かなくちゃいけないわけね」

98 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:51:57.34 ID:YBdvM4H4.net

ダイヤ「えぇ…ただ、もう少し計画をしてからでないと……なにが起こるか、わかりませんからね」

花丸「洞窟の場所がわかれば…いいんだけど…巻物には書いてなくて…」

曜「なにか……ヒントが、きっと…」

梨子「洞窟、ってことは……海辺、なのかな…」

曜「海……赤かったの、なにか関係がある、とか?」

果南「それじゃあ海辺を探すとして…あとは、戻り方だね。曜ちゃんはぬいぐるみが降ってきたみたいだけど……私たちの時もそうなるとは限らないし…」

99 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:52:24.93 ID:YBdvM4H4.net

ルビィ「じ、じゃあこれは!どう、ですか…?ルビィ、二つあるから…ひとつを使って、もう一つはポケットに入れておけば…!」

チャラッ

ダイヤ「マスコット…これは……ぬいぐるみに入るのでしょうか…」

曜「私の使ったうちっちーは大きいやつだし…千歌ちゃんが持ってるぬいぐるみも小さいのはなかった気がするから…どうなのかなぁ……」

鞠莉「ま、物は試しよ!Let ‘s try!ダメだったとしても…向こうに行けないだけじゃないかしら?」

100 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:52:59.20 ID:YBdvM4H4.net

果南「い、いや…でも…」

鞠莉「そうやって怖がって行動をなにも起こさなかったら手遅れになっちゃうかもよ?」

曜「……やろう。私は、やりたい…千歌ちゃんを助けるためにできることなら、なんでもやりたい」

ダイヤ「ふふ…そうですわね。さぁ、そろそろお腹が空いてきた頃ではございませんか?少し休憩にしましょう」

101 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:05:39.09 ID:SfmCp0Aj.net

はよはよ

102 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:07:46.08 ID:T4CTbkek.net

ドキドキする…

103 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:12:12.67 ID:YBdvM4H4.net

―――

ダイヤ「さて、それではまとめますね」

ダイヤ「ルビィの持っている二つのマスコットのうち、一つを使用し、一つをルビィのポケットに入れておきます。帰るときはこちらを使ってまたかごめかごめをしましょう」

ダイヤ「できるだけ千歌さんと条件を揃えるために、深夜2時にこの梨子さんの部屋で行います」

ダイヤ「花丸さん、善子さんは他の部屋で待機しておいてもらい、わたくしたちがいなくなったあとの部屋を確認してもらい、わたくしたちが帰るのを待っていただきます」

104 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:12:53.22 ID:YBdvM4H4.net

ダイヤ「向こうに着いたらわたくしとルビィと果南さん、曜さんと梨子さんと鞠莉さん、で別れて海沿いに洞窟がないかを探します。スマホは使えるかわかりませんが、一応持っておきましょう。同じ世界にいれば使えるかもしれませんので…っと、これくらいでしょうか?」

曜「…うん、そうだね。ありがとうダイヤさん」

ダイヤ「……さて、21時過ぎですわね。このくらいの時間にアラームをかけて、仮眠したのですよね?」

曜「うん」

105 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:13:19.32 ID:YBdvM4H4.net

花丸「それじゃあオラたちは向こうの部屋に行ってるずら…気を付けてね」

善子「必ず千歌を連れて…みんな無事で帰ってきてよね」

梨子「うん、もちろん」

バタンッ

果南「アラームセットしたよ」

ルビィ「う、うぅ…緊張しちゃって…寝れるかなぁ……?」

鞠莉「大丈夫、深呼吸して…ゆっくりね……」

ルビィ「すぅ…はぁ…」

106 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:13:46.53 ID:YBdvM4H4.net

―――

2時00分
ピピピピ

曜「ん…梨子ちゃん、起きて」ユサユサ

梨子「…よぉちゃん?」

曜「寝ぼけてる?ほら、2時だよ」

梨子「ぁ、ごめん!」ガバッ

曜「ううん、平気」

ダイヤ「みなさん、大丈夫ですか?」

鞠莉「ばっちりOKよ」

果南「うん、私も」

ルビィ「そ、それじゃあ…置きますね」

「……」

107 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:14:12.41 ID:YBdvM4H4.net

「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?」

108 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:14:41.60 ID:YBdvM4H4.net

曜「っぁ…また、これ…っ」クラッ

ルビィ「ピギッ…お、お姉、ちゃん…」

ダイヤ「大丈夫ですか…っ?」

梨子「っ…」クラクラ

鞠莉「……ん、慣れてきたわね…」

果南「う、わ…ほんとに来ちゃってる」

ルビィ「あ、あれ…うさぎさんが…」

ダイヤ「やはり、消えてしまうのですか……」

109 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:15:10.83 ID:YBdvM4H4.net

曜「みんな、外に出よう…木が腐ってるかもしれないから気を付けてね」

梨子「曜ちゃん、大丈夫?肩、貸すよ」

曜「あ、ありがとう…」

梨子「ほんとは痛いんだよね?わかりやすいよ」コソッ

曜「ぅ…で、でも、内緒だよ?」

梨子「うん、心配させたくないんでしょ?でも…無理はダメよ」

曜「了解であります…」

110 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:15:20.36 ID:SfmCp0Aj.net

こわい

111 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:15:42.33 ID:YBdvM4H4.net

鞠莉「ワォ…Red sea……」

果南「しかも…ただの赤じゃなくて…赤黒い……」

ダイヤ「二手に別れましょう…ルビィ、果南さん、行きますわよ」

ルビィ「は、はい!お姉ちゃん!」

曜「あ、待って!」

ダイヤ「どうしました?」

曜「LINEつながるか、確認しておこうよ」

112 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:16:15.70 ID:YBdvM4H4.net

Aqours(9)

YOU:おーい

果南「…!使えるんだ…よかった」

曜「じゃあ何かあったらグループLINEでお願いします!」

鞠莉「気を付けてね」

果南「そっちもね…」

113 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:27:14.44 ID:SfmCp0Aj.net

これ向こうだと文字化けてるやつか

114 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:30:44.61 ID:YBdvM4H4.net

―――
ダイヤ「花丸さんの言っていた通りだとしたら…小さなものですから、見つけるのは大変そうですわね…」

ルビィ「で、でも…人が入るくらいなら見つかるんじゃない……?」

果南「うーん…それにしても不気味だね、これ……まるで血…みたいな色してて」

ルビィ「ま、まさか…本物の血じゃ、ない……よね?」

果南「だと…思う、けど……」

115 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:31:13.10 ID:YBdvM4H4.net

ダイヤ「………突き当たりまで来てしまいましたね」

果南「ってことは…向こう側なのかな……LINE入れるね」

Aqours(9)

かなん:こっち、端まで来たけど特になにも見つからなかったから、そっち向かうね

YOU:まって

YOU:こっちも…洞窟、なかったよ

果南「……え?」

116 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:31:39.18 ID:YBdvM4H4.net

―――
曜「はぁ…二度も来るなんて…」

梨子「だ、大丈夫…?」

曜「でも、一人じゃないから平気!」

鞠莉「確かに…ここに一人で来るのは……怖いわね…おかしくなっちゃいそう」

曜「…千歌ちゃん、大丈夫かな」

梨子「怖くて泣いてたらどうしようか」クスッ

曜「そしたらムービー撮って家宝にするかなーなんてね!」

117 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:32:05.31 ID:YBdvM4H4.net

鞠莉「千歌っちのweddingで流さないとね♪」

梨子「あはは……って、あれ…?」

梨子「端に…着いた……?」

曜「え、もう…?この海岸、もっと広くなかったっけ…?」

鞠莉「話してたから?に、しては確かに早すぎるわよね…」

ピロンッ

曜「ん、LINEだ」

Aqours(9)

かなん:こっち、端まで来たけど特になにも見つからなかったから、そっち向かうね

118 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:32:38.33 ID:YBdvM4H4.net

曜「……どういう、こと?」

梨子「どこにも洞窟が、ない…?」

鞠莉「ちょ、ちょっと待って…!それじゃ、私たちはどうすれば…」

曜「と、とりあえず!合流…しようか」

曜「えーと、一度合流しよう。さっきの場所で…っと」

曜「よし、戻ろう」

梨子「曜ちゃん…冷静、だね……」

曜「二度目だからかなぁ…慣れたくはないんだけど…あはは…」

119 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:42:33.67 ID:W/uftAEq.net

こわい

120 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:43:14.96 ID:SfmCp0Aj.net

時間の流れ同じなんかなあ

121 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:46:24.35 ID:YBdvM4H4.net

―――
曜「…ん、いたいた」

ダイヤ「曜さん…!」

梨子「ねぇ…そっち……短くなかった?」

ルビィ「え?」

梨子「狭すぎると思うの…もっと、広かったはずなのに……」

果南「てことは…私たちの知ってる場所じゃない、ってことなのかな…」

果南「こう…なにか……妖怪的なものが作った空間!…みたいな?」

122 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:46:50.45 ID:YBdvM4H4.net

鞠莉「一度…千歌っちの家に行ってみない?なにか、あるかもしれないでしょ?」

曜「そうだね…」

テクテク

梨子「お、お邪魔しまーす…」

曜(もし、私が行った世界と同じだとしたら…)

曜「こっちから、行こう」スタスタ

梨子「え、うん…?」

曜(……やっぱり、あった)

123 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:47:16.99 ID:YBdvM4H4.net

ルビィ「ひぃっ…!こ、これ…血……?」

曜「私が来たときに汚しちゃったの…それがあるってことは…私が来た後の世界だ……」

果南「あんまり時間が経ってないみたいだね…」

曜「それで…こっちにいるときに後ろからうちっちーが落ちてきて……」

鞠莉「じゃあ、ここから先は行ってない?」

曜「うん、行ってないよ」

124 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:48:11.03 ID:YBdvM4H4.net

鞠莉「一番有力なのは千歌っちの部屋ね…来たときは部屋だったはずだから……」

ガッ…ガッ……

鞠莉「……立て付けが悪くなってて開かないわ…」

果南「仕方ないよ…ちょっと下がってて…」スッ

ドッ

ダイヤ「み、見事な蹴りをお持ちで…」

曜「あ、あれ…!」

125 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:48:49.77 ID:YBdvM4H4.net

梨子「千歌ちゃんの、スマホだ…」

鞠莉「電源つく?」

梨子「いや…壊れちゃってるみたい…画面も割れてて……それに、なんだか汚れてて…ずっと昔から置いてあるみたい、じゃない…?」

果南「……ね、ねぇみんな…なんか、気持ち悪くない…?」

ルビィ「う、うん…来たときみたいな感じ、で……」

曜「な、なに…?こんなの…知らないっ…!」

クラッ

鞠莉「み、ん…な……?」

曜(視界が白んで……あたまも、ぼーっとする…)

126 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:50:44.60 ID:YBdvM4H4.net

続きは深夜か明日辺りに。

127 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:51:36.67 ID:SfmCp0Aj.net

ここで切るんかい!
トイレ行けねーんだけど

128 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:52:09.68 ID:T4CTbkek.net

ぐおっ!
いいところで……
待ってます

132 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 21:59:43.28 ID:Dp9op9h4.net

怖すぎ

133 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:01:09.00 ID:w6KGPiFL.net

こええ
夏らしくなってきてホラー物増えるの嬉しい

134 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:08:50.97 ID:nYpQGuWe.net

もう深夜だぞ
続きはよ

137 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:09:14.11 ID:R5er3Lq3.net

こっわ…
エタらず完結頼むよ

138 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:31:23.03 ID:YBdvM4H4.net

―――

2時30分

ピピピピ

花丸「ん…善子ちゃん、起きて」

善子「ぁ…おはよう、はなまる…」

花丸「梨子さんの部屋、見に行こう」

善子「えぇ…行きましょう」

コンコン ガチャッ

花丸「誰もいないね…みんな成功したみたい」

139 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:31:59.26 ID:YBdvM4H4.net

善子「ルビィのうさぎさんもいないわね」

花丸「一緒に行ったのかなぁ…?」

ピロンッ…ピロピロピロンッ

善子「ん?なんか一気にLINEが…」

Aqours(9)

YOU:??[?

かなん:????A?[???????????????????????A???????

YOU:???

YOU:?????c??A?A?????

YOU:??x???????B????????

140 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:32:30.38 ID:YBdvM4H4.net

善子「……こわ」

花丸「そういえば…変じゃない?」

善子「なにが?」

花丸「文字化けの仕方が…えっと、最初に曜さんから来た文字化けは難しい漢字のやつだったよね?」

花丸「でも、そのあとは全部ハテナと英語で…」

善子「…そう?たまたまなんじゃない?」

善子「でも……確かに、おかしいわよね」

善子「たとえメモしておいたとしても…送るスピードが早すぎる……スタンプならともかく、文章みたいだし…」

141 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:33:00.07 ID:YBdvM4H4.net

善子「最初の…曜さんが送ってないのにLINEが来たやつもおかしいし……なんなのよ、これ…」

花丸「……オラたちは、信じて待つことしかできないずら…」

善子「もどかしい…」

花丸「この辺りの地形に関する本を持ってきてるから洞窟探してみようか」

善子「そうね…何かしていないと不安だし……」

142 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:33:39.58 ID:YBdvM4H4.net

―――
曜「ぅ…ぁ…?」

曜(あれ、私…確か、倒れて…!)ガバッ

曜「こ、こは…?」

曜(部屋が…きれいに、なってる……?さっき果南ちゃんが蹴破ったはずの障子も元に戻ってて…それに、さっきよりも新しく…いや、それでも古いことには変わりないけど…)

曜(みんな無事みたい…よかった……)チラッ

曜「……え?」

曜「なんで空が真っ赤に染まってるの…?」

143 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:34:07.57 ID:YBdvM4H4.net

梨子「っ…よう、ちゃん…?」

曜「あ、梨子ちゃん…」

梨子「な、に…ここ……」

ダイヤ「っつぅ…いったい、なにが…」

ルビィ「あ、あれ!?ここ…さっきと違う…よね?」

鞠莉「……千歌っちのスマホ…新しくなってる…?」

鞠莉「umm…電源はつかないわね。画面も割れたままだし」

曜「果南ちゃん、大丈夫…?」

果南「ん……なんとか」

144 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:34:33.11 ID:YBdvM4H4.net

鞠莉「意外ねぇ…果南、こういうの効かなそうなのに」

果南「ちょっと…それ、どういうこと?」

曜「ちょ、そんなことしてる場合じゃ…ほら、外見てよ!?空が赤…く、て……?」

梨子「どうしたの?」ヒョイッ

梨子「あ、あれ……千歌、ちゃん…?」

曜「っ!」ダッ

梨子「曜ちゃん、ダメっ!」

ルビィ「ち、千歌さんって…どういうこと?」

梨子「外…見てみて…私は、曜ちゃんを追いかけるから!」ダッ

145 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:34:59.65 ID:YBdvM4H4.net

果南「危ないって!……外、って?」ヒョイッ

果南「あの特徴的なアホ毛は…な、なんで海岸に!?」

ルビィ「それに…なん、だろう……あの、動き…」

ダイヤ「頭を撫でる…みたいな動き、ですね」

鞠莉「って!観察してる場合じゃない!千歌っちのところに行くわよ!」

146 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:35:27.65 ID:YBdvM4H4.net

―――
千歌「うんうん、あはは!そーなの?」

千歌「へぇ…えらいね!」ナデナデ

曜「千歌ちゃんっ!?」

千歌「わ…曜ちゃん?」クルッ

曜「っ!」

曜(なんか、変…うまく言えないけど、とにかく、おかしい……)

千歌「どうしたの?…ん、このお姉さんにも遊んでほしいの?」

千歌「よーし、じゃあなにしよっか!」

曜「ち、千歌ちゃん…なに、言ってるの……?」

147 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:35:31.96 ID:SfmCp0Aj.net

きたあ

148 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:36:14.27 ID:YBdvM4H4.net

曜「千歌ちゃん以外、誰も……」

千歌「………曜ちゃんこそ、何言ってるの?あ、あぁ!泣かないで?」ナデナデ

千歌「ほら、ダメだよ曜ちゃん…小さい子には優しくしなきゃ……ね?」

曜「小さい、子……?」

『選ばれた子どもたちは大人たちによって小さな洞窟の中の小さな小さな牢屋に入れられ、そのまま…って書いてあるずら』

曜「ま、さか…っ」ゾワッ

千歌「ふむふむ…よーし、曜ちゃんそこに屈んで?」

曜「……え?」

千歌「ほら、はやくー」グイグイッ

曜「こ、う…?」

149 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:36:57.86 ID:YBdvM4H4.net

「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる…」

曜(なに、これ…たくさんの、子どもの声……からだ、うごかない)

「夜明けの晩に 鶴と亀が滑った…♪」

曜(ぁ……わたし、ここで…)

「後ろの正面だあれ?」

曜「ぁ……っ」パクパク

千歌「あは、時間切れ〜♪もう、千歌だったんだよ?」

千歌「ざぁんねん…不正解者には罰ゲーム、だよね?」ケラケラ

曜「ぅ、ぁ…」バクバク

曜(やだ、だれか…たすけて…!)

150 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:38:59.51 ID:YBdvM4H4.net

スッ…キュッキュッ

千歌「んふー、よし!」

曜「……へ?」

千歌「あはは!かーわいい!」

梨子「よ、ちゃ…曜ちゃん!千歌ちゃん!」

曜「り、こ…ちゃ……」クルッ

梨子「へ?」

梨子「そ、その顔…どうしたの?」

千歌「あれ、梨子ちゃんもいるんだ」

梨子「な、なにやって…」

千歌「見ての通り…みんなと遊んでたんだよ?」

151 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:39:41.25 ID:YBdvM4H4.net

梨子「見ての通りって…誰も……それに、それ…墨?」

千歌「誰も……?」

千歌「曜ちゃんも、梨子ちゃんも…どうしたの?みんないるのに……かわいそう」

梨子「え?」

千歌「ひどいよ…なんで……?悪いことなにもしてないのに…ママもパパも…いつになったら迎えに来てくれるの……?」ボロボロ

千歌「かわいそう…かわいそうな、ワタシたち……ここにいるのに、みんな忘れてしまったんだわ」

千歌「寒い…水が上がって、冷えきってる……みんな、みんな死んじゃった」

152 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:40:07.50 ID:YBdvM4H4.net

鞠莉「っはぁ…はぁ…!」

果南「千歌!」

千歌「どうして誰も気付いてくれないの……?ねえ、ワタシたちのこと、気付いてよ。寂しいよ、遊ぼうよ」

ダイヤ「千歌、さん…?」

千歌「もうワガママ言わないから…もう一度、もう一度……」

ギュッ

曜「大丈夫…」

千歌「おねえさん?」

153 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:40:33.27 ID:YBdvM4H4.net

曜「つらかったよね、寂しかったんだよね…」ナデナデ

曜「さっきはあんなこと言って、ごめんね?でも、今はちゃんとみんなのこと見えてるから、大丈夫だよ」

曜「あなたたちはなにも悪くないよ。もう、苦しい思いなんて、しなくていいんだよ…」

千歌「……ごめんなさい」モギュッ

千歌「おねえさんの、お友だちを騙しちゃった…遊んでほしくてね、悪いことしちゃったの…」

曜「千歌ちゃんなら許してくれるから大丈夫!いっぱい遊んでもらえた?」

154 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:41:12.33 ID:YBdvM4H4.net

千歌「うん…ワタシたち、悪いことしたのに、たくさん遊んで…いっぱい、頭撫でてくれて…褒めてくれたの」

曜「よかったね…楽しかった?」

千歌「楽しかった…ずっといて欲しくて、友達になってほしくて……ちかちゃん、閉じ込めちゃったの…ごめんなさい」

千歌「でも、でもね…もう、平気……ちゃんと、かえすから……」

曜「ま、って…まだ!」

千歌「えへへ…おねえさんのぎゅー、気持ちよかった、よ……」

曜「っ…!」

155 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:41:42.82 ID:YBdvM4H4.net

千歌「ん、ぅ……あれ…?」キョロキョロ

千歌「みんなは…?」

ルビィ「もう…帰っちゃったみたい……」

千歌「そっか……」

曜「千歌ちゃん、よかった…」ギュッ

千歌「……あの子たちは、悪くないから…責めないでほしい」

曜「責めないよ…だれも、責めないよ……あんな、幼い子どもを…っ」

果南「……空、快晴になってるね」

鞠莉「………ずっと、ここで…両親を待ってたのかしら」

156 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:42:09.00 ID:YBdvM4H4.net

ダイヤ「戻ったら……祠を立てませんか?きっと、話せば…」

ルビィ「うん、そうだね…どうか、安らかに眠れるように…」

梨子「水が上がって、冷えきって……」ボソッ

曜「ん?」

梨子「……そっか、そうだ…」

梨子「洞窟の場所、わかったよ」

曜「ほんと…?そうなら、みんなを出してあげないとだね…」

梨子「うん…海に入らないといけないから……見つけるのは大変だろうけど…」

果南「江戸時代は陸だったところが…今は海の中、だったんだ……そりゃ、見つからないわけだよね」

ダイヤ「では……戻りましょう」

157 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:42:35.84 ID:YBdvM4H4.net

「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?」

158 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:43:16.23 ID:YBdvM4H4.net

帰ってきてからの話は明日投下します。
おやすみなさい。

159 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 23:43:54.59 ID:guYHnJ74.net

おやすみ

162 :名無しで叶える物語:2017/05/22(月) 00:03:22.81 ID:vTU2EA/u.net

面白い ゾクゾクする


続き:千歌「後ろの正面だあれ?」(3)


元スレ:千歌「後ろの正面だあれ?」 (2ch.sc)






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