ようちかりこ仲良し委員会 (7)

曜「木曜日ー！」

梨子「週末まであと少し、今日も１日、頑張りましょう｣ﾆｯｺﾘ

千歌「というわけで、そんな頑張るあなたたちに、この歌を送ります」

千歌「きいろとくろは♪ ゆうきのしるしー♪」

曜「24じかん♪ たたかえますかー♪」

梨子「リゲイン♪ リゲイン♪」

ようちかりこ「ぼくらのリゲイン♪」

梨子「アタッシュケースに♪ ゆうきのしるし♪」

曜「はるかせかいで♪ たたかえますか♪」

千歌「ビジネスマン♪ ビジネスマン♪」

ようちかりこ「ジャパニーズビジネスマン♪」

全国のビジネスマンを応援するようちかりこ

千歌「……リゲインあんまり美味しくない……｣ｳﾌﾟｯ

梨子「……栄養ドリンクに味を求めるのは、酷じゃないかな……」

曜「やっぱこの手の飲み物はオロナミンCだよねー」

千歌「えー、デカビタCの方が量あるじゃーん」

梨子「オロナミンCは、リゲインとかとは別ジャンルじゃないかな……」

曜「梨子ちゃんは、オロナミンCとデカビタCなら、どっちが好き？」

梨子「私はどっちも……普通」

千歌「じゃあ、何が好きなのー？」

梨子「……レッドブルかなあ」

ようちか「おー、レッドブル翼を授ける」

さりげなく元都会っ子ぽさを見せる梨子ちゃん

曜「ラブ注入♡♡(意味深)」

梨子「……///｣ｶｵﾏｯｶｯｶﾉｶｰ

ようちか「……｣ﾆﾔﾆﾔ

仕事場より愛を込めて(謎)

曜「きんようびー！」

千歌「そうだね、フライデーだね！」

梨子「今日頑張れば明日は土曜日、もうひとふ……」

曜「アイキャンフラーイ！」

千歌「イエース、ウィーキャンフラーイ！」

梨子「え」

ｼｭﾀﾀﾀﾀｯ

梨子「う、海に飛び込んじゃダメえええ！」

梨子「それは……それよ……｣ﾓｼﾞﾓｼﾞ

曜「わかった、梨子ちゃんも一緒に飛び込みたかったんだね」

梨子「はい？」

千歌「アイキャンフラーイ！」

曜「イエース、ウィーキャンフラーイ！」

ｼｭﾀﾀﾀﾀｯ

梨子「ちょちょ、私の手を引っ張らないで……！」

ｲﾔｰｯ

ｻﾞｯﾊﾟｰﾝ

みんなで飛び込みようちかりこ(制服のまま)

ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ

梨子「ああ、もう。制服ビショビショだよ……」

千歌「梨子ちゃん、ブラが透けちゃってるのだ｣ｷｼｼ

曜「おやおや、随分セクスィーでありますな……｣ﾆｼｼ

梨子「……千歌ちゃんも、曜ちゃんも同じことになってるよ」

ようちか「はっ、……梨子ちゃんのエッチ///」

梨子「どっちがエッチなんですか！｣ｶｵﾏｯｶ

ようちかりこ「……うふふふっ」

梨子「……こんな制服で帰ったら、お母さんに怒られちゃうな｣

曜「私も。お母さんに、鬼の形相でどやされちゃうよ｣

千歌「じゃあさ、明日まで、私の家に避難する？」

ようりこ「……うん、そうする｣ﾌﾌｯ

千歌「よっしゃー、今日はお泊まり会なのだー！｣ﾆｯｺﾘ

週末の夜を、一緒に過ごすようちかりこ

曜「はぁー、いいお湯だった！」

梨子「やっぱり、千歌ちゃんちの温泉は、最高だね」

千歌「さてさて皆の衆、お風呂上がりの楽しみといえば……そう！」

ｶﾁｬﾝ

千歌「牛乳だよね！」

梨子「あら、千歌ちゃんってば、用意周到だ｣ﾌﾌｯ

曜「サービス精神が旺盛ですなあ」

千歌「ふふーん、気がきくでしょ｣ﾄﾞﾔｧ

千歌「みんな蓋開けたね？ それじゃ腰に手を当てて、一気に飲み干しちゃおー！」

ようちかりこ「……いざ」

ｸﾞﾋﾞｯ ｸﾞﾋﾞｯ

ようちか「……ぷはーっ」

曜「お風呂上がりの牛乳って、なんでこんなに美味しいんだろうねー」

千歌「ねー、日本人にしかわからない幸せだよねー」

ｹﾞﾎｯ ｹﾞﾎｯ

千歌「わわっ、梨子ちゃんがむせてる」

曜「大丈夫、梨子ちゃん？」

梨子「だ、大丈夫……｣ｹﾞﾎｯ

ﾀﾗｰｯ

千歌(あ、梨子ちゃんの口許から……)

曜(牛乳が垂れてる……)

ようちか(……エロい……///)

梨子「２人とも顔が赤いよ……のぼせたの？」

朝からちょいエロを挟んでいくスタイルようちかりこ

千歌「今日は梨子ちゃんちでお菓子作りだよ！」

曜「プロも裸足で逃げ出すほどのケーキを、みんなで作るよ！」

梨子「……流石にプロ顔負けのケーキは無理だよ。けど、みんなで作れば、すごく美味しいのができると思う｣ﾆｯｺﾘ

千歌「今からよだれが止まんないのだ……｣ｼﾞｭﾙﾘ

梨子「よだれを垂らすのはまだ早いよ。じゃあ、早速作りましょ」

曜「私が卵を割るよ」

梨子「じゃあ、お願いね、曜ちゃん」

曜「おまかせあれ！」

ｺﾂﾝｺﾂﾝ

ｸﾞｸﾞｯ

千歌「え、曜ちゃん、卵片手で割れるの！？」

曜「こないだ、卵かけご飯作った時に上手く割れたんだ。見ててよ！」

梨子「ダメだよ、ちゃんと両手使って割らないと……」

曜「……ていやっ」

ｸﾞｼｬｯ

曜「あっちゃー、力加減ミスって卵グチャグチャにしちゃった……」

ﾄﾞﾛｫｯ

千歌(破裂した卵の白身が……曜ちゃんの手に滴ってる……)

梨子(しかも少し、顔にもかかってる……)

ちかりこ(……いやらしい……///)

曜「ごめんね、卵１個無駄にしちゃった。次は両手で割るよ」

千歌「……成功するまで」

梨子「片手で割っても、いいのよ……」

曜「……？」

朝からちょいエロを挟んでいくスタイルようちかりこ

千歌「ただいまー」

曜「しいたけ、ただいまー」

ﾑｸｯ

しいたけ「ワフッ！」

ｽﾘｽﾘ

曜「おや、千歌ちゃんの足に擦り寄ってる。よほど恋しかったのかな、しいたけ」

千歌「しいたけね、最近あることにハマっちゃってね、きっとそれで懐いてくるんだと思う」

しいたけ「ワフッ！ ワフッ！」

千歌「ははは、じゃあ、一緒に部屋まで行こうかしいたけ」

曜(あること、ってなんだろう……)

梨子「……｣ｶﾞﾀｶﾞﾀ ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

曜「梨子ちゃん……いつまで私の背中の後ろに隠れてる気？」

梨子「だって、しいたけちゃん、怖いもん……」

しいたけ「ワフワフ……」

曜「千歌ちゃん、しいたけを部屋まで連れてきて、一体何をするの？」

梨子「……｣ﾋﾞｸﾋﾞｸ

千歌「ちょっと待ってて、しいたけ」

ﾇｷﾞﾇｷﾞ

梨子「……靴下脱いで、どうするの。千歌ちゃん？｣ﾋﾞｸﾋﾞｸ

千歌「しいたけ、ゴロンってあおむけになってー」

ｺﾞﾛﾝｯ

しいたけ「……ハッハッ」

千歌「よーし、いい子いい子。ほれ、しいたけー……」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

曜「あ、足でしいたけのお腹撫でてる……！」

しいたけ「アフン、アフン……」

梨子「し、しいたけちゃん……足で撫でられてご機嫌になってる……」

千歌「なんでかわかんないけどさ、こうされるのが大好きになっちゃったんだよ。しいたけ」

しいたけ「アフン、アフン、アフン……」

千歌「あはは、しいたけってば……」

千歌「ほんと、変態さんみたいだね｣ｸｽｯ

ようりこ(て、天然サディスティックプリンセス……///)

しいたけ「アフアフ、アフアフ……」

千歌「きゃははは……」

朝からちょいエロを挟んでいくスタイルようちかりこ

ーーー千歌の部屋

ｶｷｶｷ ｶｷｶｷ

千歌「……」

しいたけ「……ワフッ」

ｽﾘｽﾘ

千歌「今はダメ、勉強してるところだから。この課題、ちゃんと提出しないと怒られるやつだから」

しいたけ「ワフッ、ワフッ」

ｽﾘｽﾘ ｽﾘｽﾘ

千歌「そんなに擦り寄られても、今はできないよ。後でね、しいたけ」

しいたけ「……ワフッ！」

千歌「……しいたけ、うるさい！｣ｷﾞﾛｯ

しいたけ「！？｣ﾋﾞｸｯ

千歌「そんな悲しい顔してもダメ。もう許さない、お預けだよ」

しいたけ「クゥゥン……」

ｶｷｶｷ ｶｷｶｷ

千歌「……」

しいたけ「……クゥゥン……」

千歌(……しいたけに見つめられて、なんか集中できないな……)

千歌(でも、今は課題を終わらさないと……)

しいたけ「……クゥン、クゥン……」

ｶｷｶｷ ｶｷｶｷ

千歌「……ふぅ、なんとか課題も終わったぞー。これで先生に叱られなくて済む……｣ﾌｩ

しいたけ「……！ ワフッ！」

ｽﾘｽﾘ ｽﾘｽﾘ

千歌「ふふ、しいたけってば嬉しそうに……そんなに、して欲しいんだ？｣ｸｽｸｽ

しいたけ「ワフッ！ ワフッ！」

ｽﾘｽﾘ ｽﾘｽﾘ

千歌「……でも、まだお預けだよ｣ﾆﾔﾘ

しいたけ「！？」

しいたけ「……」

千歌「ボール遊び？」

しいたけ「……ベフッ」

千歌「おさんぽ？」

しいたけ「……ベフッ」

千歌「……足で、ナデナデ？」

しいたけ「……バフッ！ バフッ！」

千歌「そんなお返事じゃ、やってあげられないなあ……。気の抜けた風船みたいな声で、お返事して欲しいなあ……」

しいたけ「……？」

しいたけ「……アフゥン、アフゥン……」

千歌「……情けない鳴き声出しちゃって……」

しいたけ「アフゥン、アフゥン……」

千歌「……変態しいたけ……」

ﾇｷﾞﾇｷﾞ

千歌「……ほら、靴下脱いだから。ゴロンして？ 」

ｺﾞﾛﾝｯ

しいたけ「……ハッハッ……」

千歌「はい、しいたけ……お預けのご褒美。たくさん、してあげるね？」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

しいたけ「アフアフ、アフアフ……」

千歌「……ふふふ……｣ｿﾞｸｿﾞｸ

終わり

曜「……月曜日……しゅうのはじまり、げつようび……｣ﾊｧ

ようちか「……ゆううつだ……」

梨子(……２人とも、すごくブルーになってる……なんとか元気になってほしいな……)

梨子「ほ、ほら。千歌ちゃん、曜ちゃん。嘆いてたって、仕方ないよ。月曜日からそんな……つ、『ツマンデー』顔はやめよう、……ね？｣

千歌「……今なんて？」

梨子「つ、つ、『マンデー』顔はやめよう……って……」

曜「え、それどういう……？」

梨子「２人が憂鬱な顔をしてたから……『マンデー』と『つまんねー』をかけた、ダジャレであって……その……///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

ようちか「……梨子ちゃんの貴重なダジャレ……(σ・∀・)σｹﾞｯﾂ!!」

千歌「もう１回さっきのダジャレ、言ってもらえる？ ムービーで撮っとくから」

曜「できればもう少し、恥じらいながら言ってもらえると……」

梨子「もう言いません！｣ｶｵﾏｯｶ

梨子「まだ１週間も始まったばかり。今日も元気に頑張りましょうね」

ｷｮﾛｷｮﾛ

梨子「……千歌ちゃんと曜ちゃん、どこ行っちゃったんだろ……」

ｼｭﾊﾞﾊﾞﾊﾞｯ

梨子「あっ、いたいた。もう２人ともどこに行って……」

千歌「チッカー！」

梨子「……千歌ちゃん。なんで……ピカチュウの付け耳なんか、つけてるの……？」

千歌「『ピカチュウ』ならぬ、『チカチュウ』になりきってるの！」

梨子「ああ、なるほど。チューズデーの『チュー』にかけて、ね……」

千歌「チカチュー！｣ﾆｯｺﾘ

梨子「曜ちゃんは、『ピカチュウ』の付け耳つけなかったの？」

曜「うん。千歌ちゃんがやれば、『チカチュウ』ってことで語呂がいいけど……私がやると『ヨウチュウ』になっちゃうじゃない？ ……虫じゃん、なんか」

梨子「……確かに、語呂はそうだね……」

曜「ということで、曜ちゃんは『チカチュウ』のトレーナーなの」

千歌「チカチカー！」

曜「というわけで……『やせいの リコちゃんが とびだしてきた！』」

梨子「え、は、や、野生！？」

曜「『いけ チカチュウ！』｣ﾋﾞｼｯ

千歌「チーカー！」

千歌「チカチカー！」

梨子「じゅ、１０万ボルト！？ そんな……怖いよぉ……｣ﾋﾞｸﾋﾞｸ

千歌「……チカッ｣ｽｯ

梨子「……下敷きを取り出した……」

千歌「チカチュウ……」

ｺﾞｼｺﾞｼ ｺﾞｼｺﾞｼ

梨子「それを腋に挟んで、擦ってる……」

千歌「……チーカーチュー！」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ ﾌﾜﾌﾜ

梨子「……１０万ボルトって、静電気のことだったのね……」

千歌「チッカー！」

曜「『リコちゃんのかみがたに こうかばつぐんだ！』」

ｽｯ

ｺﾞｼｺﾞｼ ｺﾞｼｺﾞｼ

曜「リコちゃんも下敷きを取り出して……まさか……」

梨子「……『リコチュウ！１０まんボルト！』なんてね」

曜「リコチュウも同じ技を繰り出した！」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ ﾌﾜﾌﾜ

曜「チカチュウのアホ毛が直立不動に！」

千歌「チッカァ……｣ｳｩｯ

曜「『チカチュウのアホげに こうかばつぐんだ！』」

梨子「ふふ、でんきタイプなのに、効いてる効いてる……｣ｸｽｸｽ

アホ毛がビョーンってなっちゃったようちかりこ

ーーー今日は久しぶりに、雨が降りました

ーーー浦の星 昇降口

よしみ「……あれ、千歌ちゃん。今日はAqoursの練習無いの？」

千歌「うん、今日はお休みなの！」

よしみ「ふーん……」

曜「千歌ちゃん、早く帰ろーよー！」

千歌「あ、めんごめんご！ すぐ行くからー！」

よしみ(なんか嬉しそう……この雨で練習がお休みだからかな？)

梨子「早く帰らないと、雨が止んじゃうよ」

千歌「えへへ、それもそうだねー」

よしみ(……普通逆じゃない？ 雨が降る前に帰るもんでしょ……)

曜「この時をどんなに待ったことか……」

梨子「そうだね、せっかく買ったのに、このまま出番が無いかと思ってたよ」

よしみ(……待望？ 出番？)

千歌「さあて、みんな『いっせーの！』でいくよ！」

ようちかりこ「いっせーの……！」

ﾊﾞｻｯ

梨子「……ようやく、使えたね。色違いの、お揃いの傘｣ﾌﾌｯ

曜「日傘じゃないから、流石に晴れの日には差せないもんねー。後ろ指さされちゃう」

千歌「今日は、乗るバス停を変えて、歩こう！おそろの傘で並んで帰るのだ！｣ﾆｼｼ

よしみ「ああ、なるほど。出番、ってそういうことね｣ﾌﾌｯ

ーーー歩道に３本の、色違いの鮮やかな雨傘が咲いた日でしたとさ

梅雨の日も楽しいようちかりこ

ｰｰｰそれは雨の降る前日のことでした

ｰｰｰスクールアイドル部 部室

千歌「雨雨降れ降れー……」ﾅﾑﾅﾑ

曜「千歌ちゃん……空気に湿り気を感じないから、明日も晴れるよ、きっと……」

千歌「そんなあ、せっかく逆さてるてる坊主も作って、お祈りしてるのに……」

梨子「まだ、しばらく傘の出番は無さそうね……」

千歌「はーあ、降って欲しくない時に降って、降って欲しい時に降らないんだから……天気の神様もひどいのだ……」ｼｭﾝ

ﾄﾞｱｶﾞﾗﾗｯ

善子「何してんの、3人とも」

ようちかりこ「よっちゃん！」

善子「なんでまた、雨乞いなんかしてるわけ？ 晴れてる方がいいじゃない」

曜「私たちね、こないだ沼津で、色違いの、お揃いの傘を買ったんだけどね……」

梨子「毎日快晴で、使う機会が無いの……」

善子「……それで、傘を差したくて雨乞いをしてたわけね……」

曜「ヨッちゃん、雨を降らすような黒魔術を教えてよー……」

千歌「得意でしょー、そういうの」

善子「まさかこんな形で魔力を請われるとは……まあ、いいけど」

ｷﾗﾝｯ

ヨハネ『このヨハネに……不可能の文字は無いわ』ｷﾘｯ

曜「ここで雨を降らせる黒魔術をしてくれるんだね！」ﾜｸﾜｸ

梨子「こ、怖いのは嫌だよ私……」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

ヨハネ『くくく……見てなさい。今から生贄に魔力を送り込んで、強力な呪いの権化に仕立て上げるわ……』

梨子「……生贄？」

千歌「そんなのどこにいるの……？」

曜「まさか、私たちを呪いの生贄に……！？」

ようちかりこ「ひぃっ！」ｶﾞﾀｶﾞﾀ ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

ヨハネ『違うわよ！ 生贄とは……あれよ！』ﾋﾞｼｯ

千歌「……逆さてるてる坊主？」

梨子「つまり逆さてるてる坊主に、雨を降らせるような恨みを込める、ってこと……？」

ヨハネ『そう。……可愛い願掛けなんかじゃ何にも叶わないの、強い恨みを込めてこそ、呪いは初めて掛かるものよ！』ｸﾜｯ

千歌「なるほど……説得力あるね……」ｺﾞｸﾘ

梨子「……言うほどかなあ……」

ヨハネ『……まずは、このヨハネがお手本を見せるわ……』ｸﾜｯ

ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

ヨハネ『呪いの逆さてるてる坊主よ、我が遺恨を聴くがいい……』

ヨハネ『あの時雨が降っていれば……私は体育のハードル走で、ハードルにスネをぶつけて悶絶することは無かったのに……』

曜「それは……痛い！」

千歌「雨さえ降ってれば体育館で室内競技だったのに……畜生！」

梨子「……そんなに悔しがることかなあ……」

ヨハネ『我が恨みよ届け、今届け……』ｸﾜｯ

ヨハネ『さあ、次はあなた達がやるのよ……』

梨子「息上がってる……力込めすぎだよ……」

曜『……逆さてるてる坊主よ、我が遺恨を聴くがいい……』

梨子「ノリがいいね、曜ちゃん……」

曜『雨が降ってたら……降ってたら……大差で負けてたあの試合も、ノーゲームになってたのに！』

梨子「……なんのお話なの、それ……」

ヨハネ『野球の試合の話ね……』

千歌「大量失点だと、ピッチャーの防御率も爆上げしちゃうしね……オマケに見る気もしなくなっちゃう！』

曜『我が恨みよ届け、２ホーマー７打点だった山田に届け……』ｸﾜｯ

梨子「それてるてる坊主じゃなくて山田さん、って人を恨んでるよ！」

曜「次は千歌ちゃんだよ……」

千歌「私の番か……よし、ちょっくら恨んでやる！」

梨子「なんでそんな近所にお散歩に行く感じなの……」

千歌『逆さてるてる坊主よ、我が遺恨を聴くがいい……』

千歌『雨が降っていれば、降ってさえいれば……小テストで赤点を採らなかったのに！』

梨子「それ雨関係ない！ 千歌ちゃんの勉強不足が悪いんだよ！？」

千歌『……雨で顔が濡れて力が出なかったのだ……』

梨子「そんな、アンパンマンじゃないんだから！」

千歌『……誰が、誰が……顔パンパンマンや！』ｸﾜｯ

梨子「そこまで言ってません！」

千歌『……そういう例えをした方が面白いかな、って思って……』

ヨハネ『素直ね』

千歌『ごめんちゃい』ﾍﾟｺﾘ

千歌『……恨みを込めるって、こんなに体力消耗するんだね……』

ヨハネ『さて、最後はあなたよ、リリー』

曜『あなたの恨み、言ってごらんなさいよリリー』

梨子「面白がってよっちゃんのマネするんだから……」

梨子『……逆さてるてる坊主よ、わ、我が遺恨を聴くがいい……』

梨子『雨が降っていれば……降っていれば……この前お休みの時に、お部屋の模様替えが出来たのに……』

ヨハネ『……何その可愛い恨み節』

曜『リリーらしいといえばリリーらしい……』

梨子「だって、お天気良かったんだもん、外にスケッチしに出かけたくなったんだもん……」

千歌「ほんとにこれで雨降るのー、ヨハネちゃーん？」

ヨハネ『人の恨みの力って、案外恐ろしいものよ……とにかく、この堕天使ヨハネを信じなさい……信じる者は救われるんだから……』ﾌﾌﾌ

梨子「それ、仮にも堕天使が使っていい言葉なのかなあ……」

ーーーそして翌日の朝

千歌「天気は曇りだけど……これ、このまま降るのかな……」

曜「空気の湿り気的には、ずっと曇りっぽい感じだけどねえ……」

梨子「よっちゃんの言葉を信じて傘持ってきたけど……」

ようちかりこ「大丈夫かなあ……」

ーーー３人の恨みが効いたのか、それとも堕天使の奇跡が起きたのか

ーーーお昼を過ぎてから、ポツリポツリと雨粒が落ち始めたのでした

ｼﾄｼﾄ ｼﾄｼﾄ

ｼﾄｼﾄﾋﾟｯﾁｬﾝ ｼﾄﾋﾟｯﾁｬﾝ

千歌「き、奇跡だよお！」

曜「ほんとに降り出しちゃった！ 曜ちゃんの天気予報大ハズレだよ！」

梨子「すごい……よっちゃんのこと見直しちゃった……！」

ｷﾞｭｯ

千歌「ありがとー！ ヨハネちゃん！」ﾆｺﾆｺ

善子「だ、抱きつかなくたっていいでしょ……！///」ｶｵﾏｯｶ

曜「今回のヨハネちゃんは堕天使じゃなくて、天使そのものだね！」

善子「私は堕天使！ 堕天使ヨハネっ！」

梨子「本当にありがとう……ヨハネちゃん」ﾆｯｺﾘ

善子「……まあ、良かったわね……」

善子(……ホントは３人をからかうつもりで半分デタラメ言ってたんだけど……私の悪運が見事、雨雲を引き寄せちゃったわけね……)

善子(……３人とも嬉しそうだし、ここは黙っておこうかしら。……たまのたまには、天使にジョブチェンジも悪くないわね……)ﾌﾌﾌ

終わり

千歌「……」ﾌﾝｶﾞｯ

梨子「気持ち良さそうに寝てるね、千歌ちゃん」

曜「可愛いいびき、かきながらね」

千歌「……」ﾌﾝｶﾞｯ

曜「……これだけ、ぐっすり寝てるとさ……」

ｶﾞｻｺﾞｿ

梨子「筆箱を漁って……まさか……」

ｽｯ

曜「ペンでおでこに、落書きしたくなるよね」ﾆﾔﾘ

梨子「曜ちゃん……！」

曜「おーっと、止めないで梨子ちゃん。これはね、人の習性みたいなものだから。寝てる子にイタズラしたくなるのは仕方の無いことだから」

梨子「それ、ちゃんと水性のペン、だよね？」

曜「……おやおや、止めないんですな」

曜「うーん、悪い梨子ちゃんですなあ」

梨子「曜ちゃんの方が悪いでしょ？ イタズラの実行犯なんですもの」

曜「イタズラを見て見ぬ振りする人間も、実行犯と同罪だよ」

梨子「それじゃ、私たちの共犯、ってことで」

曜「怒られる時は一緒に怒られようね。言い訳しちゃダメだよ」

梨子「ええ、もちろん。一緒に謝るよ」

ようりこ「……ふふふふ」ｸｽｸｽ

千歌「……」ﾌﾝｶﾞｯ

曜「さてさて、なんて書いてやろうかな……」

梨子「……定番だけど、『肉』はどう？」

曜「ベタだね。誰しも真っ先に思いつく一文字だ」

梨子「じゃあ、……『米』は？」

曜「……テリーマンかあ」

梨子「『中』なんて、いかが？」

曜「ラーメンマンだと、ナマズ髭も書き足したくなるよね」

梨子「なら、趣向を変えて、点々を6つ書くなんていうのは」

曜「クリリンのことかな？」

梨子「……なかなか決まらないね、悩んじゃう……」ｳｰﾝ

曜「梨子ちゃんがこんなにグイグイ来るなんて、私驚きだよ」

梨子「千歌ちゃんっぽい、っていうと……やっぱり『みかん』とか？」

曜「……もっと形容できる文字もあると思うけど。まあ、１番しっくりくるし、いいか」

梨子「どうせなら、平仮名で書くんじゃなくて漢字で書いてみない？ それっぽくなるよ？」

曜「ほんと今日はグイグイ来るね。なんでなの、お昼に何か変なもの食べちゃった？」

梨子「さっ、決まったなら千歌ちゃんの目が覚める前に書いちゃいましょ」

曜「スルーされちゃったよ。……まあ、いいや」

千歌「……」ﾌﾝｶﾞｯ

梨子「私が千歌ちゃんの前髪上げてるから、手早く書いてね、曜ちゃん」

曜「漢字で『蜜柑』って、果たして手早く書けるかな……」

曜「……ウ冠に、『必死』の必に下に虫を書いて……」

ｶｷｶｷ

曜「木偏に、『甘い』を組み合わせれば……」

ｶｷｶｷ

千歌【蜜柑】「……」ﾌﾝｶﾞｯ

曜「……これで、完成、っと」ﾌﾌｯ

梨子「……『千歌ちゃんマン』の完成ね」ﾌﾌｯ

曜「女の子か男の子か、どっちなのかはっきりしてほしいね、それ」

千歌 【蜜柑】「……」ﾌﾝｶﾞｯ

曜「起きないうちに、写メ撮って永久保存しとこう」

ﾊﾟｼｬﾘ

梨子「私にも送ってね、『千歌ちゃんマン』の写真」

曜「OK、あとで梨子ちゃんにも送っておくよ」

梨子「……どうせなら、Aqoursのグループトークにも貼らない？ これ、私たちだけで独占しちゃうの勿体ない気がするから」ﾌﾌﾌ

曜「……ほんと、今日は一体どうしちゃったの、梨子ちゃん」

千歌【蜜柑】「……」ﾌﾝｶﾞｶﾞｯ

終わり

千歌「……額に『蜜柑』って書かれたこの恨み……晴らさでおくべきか！」ｸﾜｯ

曜「許してよ、千歌ちゃーん……」ﾃﾍﾍﾟﾛ

千歌「嫌だ！」

梨子「だって、魔が差しちゃったんだもん……」

千歌「『魔が差しちゃった』じゃないよ！だいたい……梨子ちゃん、謝り方がなってない！ 梨子ちゃんもテヘペロで謝れー！」

梨子「えぇ、テヘペロ……」

曜「……千歌ちゃん案外チョロいとこあるから、もしかしたらテヘペロ次第では許してくれるかも……」ﾎﾞｿｯ

梨子「……ごめんなさい」ﾃﾍﾍﾟﾛ

千歌「うっ、ゆ、ゆる……やっぱり許さん！」

梨子「曜ちゃん、話が違うよ！？」

千歌「可愛いかったけど、そんなことで揺らぐチカではないのだ！」ﾌﾟﾝｽｶ

曜「ごめーん、とんだ勘違いだったみたい」ﾃﾍﾍﾟﾛ

千歌「２人とも、私と同じ目に合わせてやる……『眼には眼を歯には歯を』なのだ……」ﾆｼｼ

ようりこ「……それって……」

千歌「さあー！ デコ出せー！ デコー！」

ｶｷｶｷ

ｶｷｶｷ

千歌「……はははっ、多少スッキリしたのだ」

梨子「曜ちゃん、私なんて書かれたの……」

曜「……『梨』」

梨子「な、……『なし』！？」

千歌「梨子なんて贅沢な名前だよ……あんたは今日から『梨』だ！」ｸﾜｯ

梨子「千歌ちゃんが湯婆婆だよぉ……」

曜「私は、私はなんの文字なの？梨子ちゃん……」

梨子「……『マッスル』」

曜「まさかの横文字！？」

千歌「『ハンバーグ』とどっちが良かったかな、曜ちゃん！」ﾌﾊﾊ

曜「どっちも嫌だよ！」

梨子「自業自得といえばそうなんだけど……恥ずかしいよ１日中ずっとは……」

曜「……こんな横文字、消してやる！」

ｺﾞｼｺﾞｼ ｺﾞｼｺﾞｼ

梨子「曜ちゃん、文字消えてないよ……」

曜「……千歌ちゃん、まさか……」

千歌「……そのまさかだよ、油性ペンで書いてやったのだ……」

ようりこ「……千歌ちゃんの鬼！ リトルデーモン！」

千歌「どれほどの罵声を浴びようと、今日の私は……リトルデーモンすら凌駕した存在なのだあ！」ﾌﾊﾊ

終わり

千歌「うーん、父の日のプレゼント、どうしようかな……」

梨子「私は、ネクタイピンをあげようと思ってるよ」

千歌「ネクタイじゃなくて？」

梨子「ネクタイは去年プレゼントしてるから……だから今年は、ネクタイピンなの」

曜「私は、毎年同じものをプレゼントしてるよ」

千歌「どうせ肩たたき券とかマッサージ券とかでしょー？」

曜「違うよ！ 一緒にお出かけする『1日デート券』！」

曜「だって私、お父さんとお出かけするの大好きだし、お父さんもあげたらすごく喜んでくれるから」

梨子「……とてもアグレッシブなプレゼントね、曜ちゃんらしいといえばらしいけど……」

千歌「1日デート券かー……お父さんとデートはちょっとなあ……」

曜「なら、志満さんと美渡さんも巻き込んだら？ 名付けて『1日トリプルデート券』！」

千歌「あ、なーるほど……。そういう案ね……。志満姉と美渡姉に相談してみよ」

梨子「……多分却下されちゃうと思うよ……」

父の日どうする？ようちかりこ