ようちかりこ仲良し委員会 (6)

千歌「ふと、思ったんだけどさ、曜ちゃん」

曜「何をふと思ったの、千歌ちゃん」

千歌「私たちって、昔から『千歌ちゃん』、『曜ちゃん』って名前で呼び合う関係じゃない？」

曜「そうだね。でも友達だったら当たり前なんじゃないの。果南ちゃんや他のみんなだってそうでしょ」

千歌「確かにそうだよ。でもさ、１０年くらい同じ呼び名じゃん？ ぶっちゃけ……マンネリになってこない？」

曜「マンネリねえ……、友達の呼び方で、そんなこと一切考えたこと無かったよ……」

曜「それって、例えば、あだ名をつける、とか？」

千歌「そうだね……、あだ名で呼び合う、ってのも新鮮でいいかもしれないね」

曜「正直、私はあだ名より名前で呼ばれる方がいいけどなぁ。苗字がありふれてるし」

千歌「苗字『渡辺』だもんね……。『渡辺曜』、『ワタナベヨウ』、『わたなべよう』……｣ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

曜(あー、なんか千歌ちゃん考え込んじゃったぞ、嫌な予感がするなあ……)

千歌「……ピッカリ閃いた。曜ちゃんの新しい呼び方、あだ名は……」

千歌「『なべよーかん』、どう？」

曜「え、まさかのたけし軍団由来？」

千歌「えー、まるパクリだけどいーじゃん。語呂はいいよ、語呂は」

曜「そんな名前で呼ばれるの嫌だよ、私……」

千歌「なんで嫌なの、禿げてるから？ 『なべやかん』が。あの人走ると早いんだよ？」

曜「……それ、『井手らっきょ』ね」

千歌「うお、本当に！？ 記憶がゴチャゴチャになってたよ……」

曜「『なべやかん』の顔と名前を一致させてから、まるパクリしてよ、せめて！」

曜「……そうやって他の人のあだ名を先走って考えてるけど、千歌ちゃん自身のあだ名は考えたの？」

千歌「……私はそうだね。『ガダルカナル・タカミ』、長いから『タカさん』とでも呼んでくれたら｣ｸﾞｯ

曜「……自分だけたけし軍団の結構いいポジションの芸人から持ってくるあたり、なんかムカつく……」

ﾄﾞｱｶﾞﾗﾗｯ

梨子「お待たせ。２人とも何の話をしているの？」

曜「あっ、梨子ちゃん。ちょうどよかった、千歌ちゃんの暴走を止めてくれない？」

梨子「……暴走？」

千歌「あ、トイレから帰ってきた。おかえり『ラッシャー桜内』」

梨子「ラッシャー、桜内……？」

梨子「……えっと、千歌ちゃんは一体何を言ってるの？『ラッシャー』とか、……『グレート』とか」

曜「人の呼び名についてマンネリ化してきたから、新しいあだ名をつけてる最中なんだよ、何故か『たけし軍団』由来で」

梨子「……なんでまたそんな突拍子も無いことを考えるの千歌ちゃんは……」

曜「それは千歌ちゃんに聞いてよ……」

梨子「ね、ねえ千歌ちゃん……。なんでそんな変なあだ名をつけようと……」

千歌「『千歌ちゃん』、じゃない！ 『ガダルカナル・タカミ』！ 『タカさん』って呼んで！」

梨子「あだ名の方が本名より長い、っておかしいよ……結局呼び方省略してるじゃない……」

曜「勝手に決めないでよ、認めてないよ私！」

千歌「いーい、くれぐれも『井手らっきょ』と混同しないようにね！」

曜「それ千歌ちゃんだけだから！」

梨子「……そっか、マンネリかあ……」

千歌「どうしたの、『ラッシャー桜内』？」

梨子「千歌ちゃんと曜ちゃんは、お友達として何年も一緒に過ごしてたから、少しは何か飽きてきたりするんだろうけど……」

梨子「私は、千歌ちゃんと曜ちゃんとまだ友達になって、２人に比べて日も浅いから……あだ名で呼ぶより、親しみを込めて名前で呼びたいな、って思って」

梨子「それで、私のことも、ちゃんと名前で呼んで欲しいの。……『梨子ちゃん』、って。ほんのちょっとでも、２人の仲に近づきたいの。……ワガママかな」

千歌「……別にワガママ、ってわけじゃないけど……梨子ちゃんがそういうなら……やっぱりやめるよ、あだ名つけるの｣ﾓｼﾞﾓｼﾞ

梨子「うん、ありがとう、これからもよろしくね、『千歌ちゃん』、『曜ちゃん』｣ﾆｯｺﾘ

梨子「丸め込んだ、なんて人聞きが悪いよ……。……可愛いあだ名ならともかく、『グレート』とか『ラッシャー』は嫌だもん、さすがに……」

曜「誰だって嫌だよ、プロレスのリングネームでも無い限り『グレート』なんて言葉は映えないもん」

梨子「……でも、『なべよーかん』は少しありかな、って思っちゃった｣ｸｽｸｽ

曜「……そうやってたまに悪ノリするんだから、梨子ちゃんは！｣ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

終わり

梨子「そういえば、千歌ちゃん、曜ちゃん。昨日はどうだった？ 例のアレ……あった？」

千歌「ううん。沼津の思いつくお店はほとんど回ったけど、無かったよ……」

曜「見事に買い尽くされちゃってたよね……。空いた棚に別のお菓子が並んでたもん……」

梨子「そっかぁ。やっぱりみんな、あのニュースを見て急いで買っていったんだね」

千歌「……まったくさ、人の迷惑ってのを考えてないよね。自分さえよければいいと思って！｣ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

曜「無くなる、ってわかった途端にたくさん買い占めちゃってさ……！｣ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

梨子「……人って、無くして初めてその存在に気づくことが多いから」

千歌「もー、ほんとバカばっかだよ！」

曜「本当、すぐ情報に踊らされて……アホだよね、人間って」

ようちか「あー、どこ行ったら売ってるの……カール！」

梨子(２人の言ったこと……そっくりそのまま２人にも当てはまるよ……)

曜「別のお菓子を、たくさん衝動買いしてきちゃったよ……」

梨子「……無駄遣いはよくないよ？ お小遣いは大事に使わなきゃ……」

曜「大丈夫、大した値段じゃないから」

梨子「一体、何を買ってきたの？」

千歌「カールを買えなかった腹いせに……」

ｶﾞｻｶﾞｻ ｺﾞｿｺﾞｿ

千歌「……うまい棒、買い占めてやったのだ！」

梨子「……ビニール袋に、うまい棒がギッシリ……」

曜「売ってる味全部買ってきたからね……沼津のイトーヨーカドーは今、うまい棒欠品中だよ」

梨子「……なんか、大人気ないなあ……」

曜「だって未成年ですから」

千歌「梨子ちゃん、何味のうまい棒食べるー？ めんたい？ サラダ？」

梨子「……コーンポタージュがいいかな……」

曜「普通のチョイスですな」

千歌「チーズ味のうまい棒で、カールのチーズ味を食べてる気分になろう……｣ﾓｸﾞﾓｸﾞ

曜「たこ焼き味のこの微妙な固さ、好きだなあ……｣ﾓｸﾞﾓｸﾞ

梨子「やっぱりコーンポタージュが１番美味しい……｣ﾓｸﾞﾓｸﾞ

千歌「そういえば、うまい棒で１番コストのかかってる味って、何か知ってる？」

梨子「えぇ、何味だろう……」

千歌「それが、曜ちゃんの食べてるたこ焼き味なの。何故なら、味を二度付けしてるから、らしーよ」

曜「へー、たこ焼き味って手間かかってるんだね……」

梨子「１本１０円で売られて、利益はどれくらい出てるのかな……」

千歌「……うまい棒工場の闇は深い……」

曜「多分何千、何万の単位でうまい棒を作ってるから、ブラック企業ではないと思うよ、きっと」

梨子「どうしたの、何を閃いたの？」

曜「こうやって、うまい棒を指の間に挟んで……構える！」

ｼｬｷﾝ

曜「はい、これだーれだ！｣ｺｰ

千歌「３本のうまい棒を挟んで……あっ、もしかして、伊達政宗？ レッツパーリーの方の！」

曜「……違うっ！｣ﾎｰ

千歌「うーん、……それならウルヴァリン？ エックスメンの」

曜「ヒュー・ジャックマンじゃない！｣ｺｰ

千歌「えー、じゃあ誰の真似してるのー？」

曜「ヒントは……私の呼吸をよく聞いて！｣ﾎｰ

千歌「ん、呼吸？」

曜「……｣ｺｰﾎｰ ｺｰﾎｰ

千歌「……もしかして……」

曜「……｣ｺｰﾎｰ ｺｰﾎｰ

千歌「ウォーズマン！ そのうまい棒、ベアクローのつもりかあ！」

曜「せーかいっ！｣ﾆﾔﾆﾔ

梨子「……ウォーズマン？ ベアクロー？」

ﾇｯ

千歌「……これ、なーんだ？」

曜「んー、なんだろそれ……」

千歌「ヒントは……祟りじゃー！ 祟りじゃー！｣ｸﾜｯ

曜「あー、八つ墓村かーっ！」

千歌「そのとーり！｣ﾆﾔﾆﾔ

梨子「……八つ墓、村……？」

梨子(……何を言ってるのかさっぱりわからなくて、ついていけないよ……)

千歌「梨子ちゃんもなんかやってー、うまい棒でモノボケ！」

梨子「えっ、そんな無理難題だよぉ……」

千歌「梨子ちゃんのうまい棒モノボケ、見たいなー！｣ﾆﾔﾆﾔ

梨子「う、うん……それじゃあ、えっと……」

梨子(……何にも思い浮かばない、どうしよう、このままじゃ２人に馬鹿にされちゃう……)

梨子(あっ……そうだ、これだ！)

梨子「……うまい棒を持って……｣ｽｯ

曜「おおっ、何をしてくれるのかな？」

梨子「こう……振るっ！」

梨子「ハーイハーイハイハイハイ！｣ﾌﾘﾌﾘ

千歌「それは、もしや……」

梨子「ライブの時の、サイリウム、なんだけど……ほら、パッケージもカラフルで色分けできるし、ライブが終わってお腹が空いたら食べられるし……あはは……」

曜「……ははーん、なるほどね……」

千歌「そーいう使い方ね、うんうん……」

梨子「……どうだった、おもしろかった……？」

曜「おもしろくはないけど」

千歌「素直に感心しちゃった」

梨子「……なんか複雑なんだけど。私なりに一生懸命ボケたつもりなのに……」

終わり

ｼﾄｼﾄ ｼﾄｼﾄ

ｹﾞｺｹﾞｺ ｹﾞｺｹﾞｺ

千歌「毎日雨ばっかで、嫌んなるよねー……」

曜「体育も外で出来ないし、ダンスの練習も屋上使えないし……」

千歌「おまけにジメジメ蒸し蒸しするし……。早く梅雨明けして、夏になってくれないかな……」

曜「太陽の光を、たっくさん浴びたいよねぇ……」

千歌「目一杯、光合成がしたいのだ……」

曜「そんな機能ないでしょ、千歌ちゃん……」

梨子「あの……２人とも……」

ようちか「んー、なにー？」

梨子「いくら雨が降ってるからって……音楽室で駄弁ってもらっても、困るなあ……。私、気が散って練習できないんだけど……」

千歌「私と曜ちゃんは、ジャガイモかカボチャかぐらいに思って、ね？」

梨子「……静かにしてるならそう考えるけど……野菜はお喋りしないもの……」

千歌「……わかった。じゃあ１曲リクエストさせてよ。それ弾いてくれたら、私たち音楽室から出てていくからさ」

梨子「それはいいけど、何を弾けばいいの？ 私のわかる曲にしてね？」

曜「うーん、それじゃあ……雨にちなんで『レイニーブルー』がいいな」

千歌「おー、徳永だね、曜ちゃん選曲がゲキ渋だよぉ！」

梨子「……ごめんなさい、わからないや……」

曜「えー、有名な曲なのにー……」

千歌「じゃあ、えっと……雨にちなんで、『雨は夜更け過ぎに……』」

曜「……それ雪に変わっちゃうやつじゃん、流石にダメでしょ」

千歌「ハッ！ 雨にちなみすぎて歌詞の一文だけで決めちゃった！」

梨子「……そんな雨にこだわらなくても……」

ｹﾞｺｹﾞｺ ｹﾞｺｹﾞｺ

梨子(……カエルの鳴き声……そうだ)

梨子「ねぇ、この曲なんて、どう？」

千歌「ん、何を弾いてくれるの？」

梨子「千歌ちゃんも曜ちゃんも……絶対知ってる曲だよ」

〜〜♪

曜「あっ、これって……」

千歌「『カエルの合唱』だ……！」

梨子「ねっ？ 知ってる曲でしょ？」

梨子「きーこーえーてーくーるーよー♪」
千歌「カーエールのうーたーがー♪」

梨子「クワッ クワッ クワッ クワッ♪」
千歌「きーこーえーてーくーるーよー♪」
曜「カーエールのうーたーがー♪」

梨子「ケロケロ ケロケロ クワッ クワッ クワッ♪」
千歌「クワッ クワッ クワッ クワッ♪」
曜「きーこーえーてーくーるーよー♪」

千歌「ケロケロ ケロケロ クワッ クワッ クワッ♪」
曜「クワッ クワッ クワッ クワッ♪」

曜「ケロケロ ケロケロ クワッ クワッ クワッ♪」

梨子「ふふっ、上手に輪唱、できました｣ﾆｯｺﾘ

千歌「……懐かしい」

曜「保育園の頃とかに、よく歌ったよね……」

梨子「さて、１曲弾いたよ？これで２人は音楽室から……」

千歌「やっぱり、もうちょっといさせてー？」

曜「梨子ちゃんのピアノ聴いていたいよー」

梨子「……お喋りしない、って約束してくれるなら……いいよ？」

曜「もちろん、黙って聴いてるから！」

千歌「それこそ、ほんとにジャガイモかカボチャにでもなった気持ちでいるから！」

梨子「……それじゃ、ジャガイモさんとカボチャさんが観客の、ピアノ演奏会を始めよう、かな｣ﾌﾌﾌ

終わり

果南「そこでステップ切り換えて、ワンツー、ワンツー……｣ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

千歌「はっ、はっ……｣ﾌﾘｯ ｸﾙｯ

曜「ほっ、ほっ……｣ﾌﾘｯ ｸﾙｯ

梨子「……あっ｣ﾌﾘｯ ｸﾞﾗｯ

果南「んー、梨子はまだ、上手くいかないね。ステップの切り換えのところ」

梨子「……ごめんなさい｣ｼｭﾝ

千歌「梨子ちゃん……今のは『喝』だよ！｣ｶｰﾂｯ

曜「おや『喝』ですか」

梨子「か、『喝』！？｣ﾄﾞｷｯ

千歌「私が現役の頃はね……これくらいのステップ、当たり前だったんですよ」

曜「まあまあそうおっしゃらずに。梨子ちゃんも頑張ってるんですから」

梨子「……まるで評論家かご意見番みたいな言い方して……｣ﾑｽｯ

果南「梨子、ステップの時の足が少し狭いから、もう少し広げたら、いいと思うよ」

梨子「……わかりました。もう１回、お願いします」

ーーーそして

果南「はい、ステップ切り換えｰ､ワンツー、ワンツー」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

千歌「はっ、はっ……｣ﾌﾘｯ ｸﾙｯ

曜「ほっ、ほっ……｣ﾌﾘｯ ｸﾙｯ

梨子「……よしっ｣ﾌﾘｯ ｸﾙｯ

果南「よーし、梨子、今の、完璧だよ｣ﾆｯｺﾘ

千歌「梨子ちゃん、……『あっぱれ』！｣ｱｯﾊﾟﾚｰｯ

曜「お、『あっぱれ』出ましたか」

千歌「今のですよ、今の！ あーいうステップを踏めてこそ、アイドルなんですよ」

曜「あー、確かにそうですねー……」

梨子「褒めてくれるのは嬉しいけど……なんでそんな、いちいち上から目線なの……」

サンモニようちか

千歌「ねぇ梨子ちゃん。バブみってなに？」

曜「それよりそんな言葉どこで知ったのさ･･･」

千歌「花丸ちゃんに聞かれたの。善子ちゃんにもはぐらかされたって」

梨子「花丸ちゃん、そんな本まで読むの･･･！？」

千歌「ねぇ曜ちゃんも知ってるんでしょー？ おしえてよー」ﾕｻﾕｻ

曜「っ･･･ぱ、パスっ！」ちらっ

梨子「そんなパス受け取れないからあっ！？」

千歌「りこちゃーん･･･」じー

梨子「ぅ･･･その、ね？ 甘えたくなるくらい、大人の女性･･･って、こと？」ちらっ

曜（梨子ちゃんうまく逃げたなぁ！）

千歌「そっか、オトナの女性･････なんかいいかも」えへ

梨子（千歌ちゃんごめんなさい。たぶん想像してるのと違うと思う）うぅ

千歌「･･･よし、じゃあ千歌もバブみを鍛える！ バブミストになるよっ！」

ようりこ「「！？」」

千歌「ほらぁ、膝枕してあげてるんだからさぁ甘えて甘えてー？」ぐりぐり

梨子「ゃっ･･･耳、くすぐったいからぁ･･･///　ぁ、痛っ！？」

千歌「あっごめっ！ ･･･うぅう、千歌いっつも甘える側だからわかんないよー」ｼｭﾝ

曜「だめですなぁー、千歌ちゃん！ もっとバブっていこぉーっ！」ﾆﾔﾆﾔ

梨子「千歌ちゃんが？！ それ意味、逆でしょう？！」

千歌「えぇぇ･･･なでなでとぎゅー以外、思いつかないよぉっ」あわわわ

梨子（曜ちゃんも、他人事だと思って面白がってぇ･･･！）///

梨子（曜ちゃん、それ半分アウトだと思う･･･）

千歌「む、むすめ･･･！？ ママになっちゃうの･･･？！」どうしよ･･･

千歌「･････おっぱい、のむ？」

ようりこ「「！？」」

千歌「あぁああ今のナシっ！/// 今のは全部忘れてナシだからぁっ///」あぁっ

曜「あははｗｗｗ千歌ちゃんすごいｗｗｗいきなり核爆弾きたｗｗｗ」

梨子「もぉおっ曜ちゃんっ！なんてことさせるのよぉっっ！！」///

梨子「千歌ちゃん、案外ダメージすごかったみたい･･･フォローしてあげて」ﾁﾗｯ

曜「あーもうっ、じゃあ千歌ちゃんがダメなら梨子ちゃん交代！」びしっ

梨子「はい！？」

曜「こういうのってね、する側だけががんばってもダメだと思うんだよね」ごろんっ

千歌「えと、･･･よー、ちゃん？」えっ、えっ

曜「される側もちゃんと心を許して甘えにいかないと。でしょ？」ぎゅー

梨子「た、たしかに･･･ＳはサービスのＳだって言うものね」ふむふむ

曜「いや、そっち系はまた別の話じゃないかな･･･」

千歌「･･･えす？ さーびす？」ｷｮﾄﾝ

梨子「千歌ちゃん今の関係ないから曜ちゃん続けてお願いさぁどうぞ！！」

曜（うわぁ･････）

曜「えへぇ･･･千歌ちゃん好きぃ･･･」ぎゅー

梨子（わぁ･･･すっごい自然･･･自然すぎてちょっと引くかも･･･）うっ

曜「･･･今のはお手本だからね。次は梨子ちゃんがチャレンジするんだからね」ｼﾞﾛｯ

梨子「え、ええー･･･？ その設定、もう、よくない･･･？」

千歌「でも今の曜ちゃんなんかかわいいなぁ･･･えへ･･･」すりすり

曜（あぁー･･･てか千歌ちゃんほんとやばい･･･やわっこくてきもちぃ･･･）ぎゅー

千歌「よーちゃーんはいい子〜♪ げーんきーなこー♪」ぎゅっぎゅ

曜「ぇへ････ふぁぁ･･････♪」うとうと

梨子（い、居づらい･･･！ というか、他の人が来たら誤解されちゃうかも･･･///）

梨子「･･･ぁ、あのっ！ そろそろ交代した方がいいと思いみゃ･･･思うっ！」

梨子（あぁあ噛んだぁっ///）

曜「――やぁらっ！ まだぎゅーするぅっ」ぎゅ

ちかりこ「「！？」」

梨子「･･･ぷふっｗ」

千歌（･･･やば、今の、きゅんて来たかも･･･///）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

曜「･･･っ///」かぁぁっ

梨子「くふっｗｗあはははっｗｗｗ 曜ちゃんそれ無理ｗｗｗｗ」

千歌「曜ちゃん･･･千歌は、もうちょっといいけど///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

曜「だからぁあっ！///　ふたりとも忘れろって言ってんでしょおっ///」

完

千歌「ついに歌詞ができたよー！」ｽｯ

梨子「わ、早い･････ってこれ、白紙じゃない！！」

千歌「ふっふっふっ、甘いよ梨子ちゃん。この紙には秘密があるのだ」ﾁｯﾁｯ

梨子「そういうのいいから歌詞見せて」ｲﾗｯ

曜「あ、それ、千歌ちゃんがさっきからレモン汁で――」

千歌「梨子ちゃん、ちょっとキッチン借りていーい？」おじゃましまーす

梨子「えっ、歌詞と関係あるの･･･？」どうぞー

曜「･･･さて、どうなるかなぁ？」〜♪

千歌「テレビの科学実験でやってて！ スパイ映画みたいでしょ！レモンだけに！！」

梨子「普通に書いてくればいいのに･･･」

千歌「あ、今のはスパイとレモンのすっぱいを」

曜「まあまあ、千歌ちゃんの気が済むまでの辛抱だと思って！」ﾜｸﾜｸ

梨子「なんだか、曜ちゃんも楽しみにしてない･･･？」

千歌「スルーはやめてよスルーは！」

ｶﾁｯ　ﾎﾞﾜｯ･･･

千歌「梨子ちゃん大丈夫だよー、念のため水も一応用意しといたから！」ｺﾄｯ

梨子「ええっ･･･？ ねぇ曜ちゃん、ほんとに大丈夫？ 燃えたりしない？」

曜「･････」ジーッ

梨子（聞こえていない！？）

梨子「ぅ･･･それでは、いきます･･･」ｽｯ

ようちか「「･････」」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

　　開いた花の香りから　受けとっ

梨子「！」

千歌「よ、読める･･･読めるよこれ！！」

曜「おぉおおーっ！ ほんとに出てきたぁ･･･！」ｷﾗｷﾗ

千歌（曜ちゃん私よりもテンション高くない･･･？）

曜「ね、ねぇ、もっともっと！」ｷｬｯｷｬ

梨子「あぁっちょっ危ないって！？」

　　開いた花の香りから　受けとったよ　つぎの夢を
　　さあどこへ行

曜「･････！」ぱぁぁ

梨子（一番ピュアな反応してるー！？）

梨子「えっ、ええっ」あたふた

曜「ちょっ千歌ちゃーん？ つぎ私やりたいー！」

千歌「ああんもうあとでやらせてあげるかｒ」ぴらっ

　　開いた花の香りから　受けとったよ　つぎの夢を
　　さあどこへ行こうかな　跳ねるように行こうかな
　　はじまりと　さよな■■■■■■■■■■■

曜「あぁああああっ！！？」

梨子「燃えてる燃えてるぅっ！！？」

千歌「あはは･･･ごめんなさい･･･」

梨子「もう、火事になったらどうするの！」ﾌﾟﾝｽｶ

千歌「それはその･･･ほら、水も用意しといたし･･･」

梨子「そうだけどぉ･･･はぁ･････じゃあ、歌詞は」

千歌「･･･あの紙に、あれで直接書いちゃったから、」てへへ

梨子「また１からやり直しなのぉ･･･？」はぁーあ

千歌「ごめんねっ！ 書き直してくるから、もーちょっとだけ待ってて！」

曜「･･･今度は、燃やさないように書いてきてよね？」むぅ

千歌「りょーかいでありますっ！」ﾋﾞｼｯ

梨子「あぶり出しはもういいからぁっ！」

千歌「っ！？」ｷﾞｸｯ

梨子「･････」

千歌「あ、あはは」

梨子「なんでもいいから早く仕上げてっ！！」

完

実際あぶり出しってしたことないけど、上手くいくのかな

梨子「ねぇ、『エモい』って言葉の意味、わかる？」

千歌「なんだろー……『ベンチがアホだから、野球ができない』って意味かなー……」

梨子「……多分、全然違うと思う。曜ちゃんはわかる？」

曜「んー……『エモが投げるから、大丈夫』っていうことだと思うよ」

梨子「……それも全然違うと思う」

千歌「エモボール！ エモボール！｣ﾋﾞｼｭｯ

曜「必殺トルネード投法！｣ｸﾞﾙﾝｯ

エモい、について

>>495
なるほどエモい（わからない）

千歌「あーもう夜になっちゃった･･･だいじょうぶ？」

曜「まだ最終には間に合うと思うけど･･･あれ、梨子ちゃんだ」

千歌「えっどこ？」ｷｮﾛｷｮﾛ

曜「ほらぁ、二つ先の曲がり角のとこ。ちょっと遠いけど。おぉーい！」

千歌「･･･あ、いたいた！ りこちゃーん」

曜「･･･えっ」

千歌「無視された･･･？」

曜「えっ･･･もしもーし、りこちゃーん？」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝｯ

千歌「聞こえてはいないっぽい･･･」

曜「･･･ぅ、目をそらされた！？」ｶﾞｰﾝ

千歌「梨子ちゃん、私たちのことキライだったの･･･！？」

千歌「曜ちゃんはきっと大丈夫だよっ！？ こないだの衣装すっごい喜んでたし！」

曜「う･･･そ、そうかなあっ？」えへ

千歌「それより、チカの方が、梨子ちゃんに無理ばっかり頼んじゃって･･･」ｼｭﾝ

曜「そんなことないって！ 千歌ちゃんがお友達になってくれてうれしいって言ってたよ！？」

ようちか（（それって、私に気を使って言ってるだけなんじゃ･･･））はぁ

曜「ねっ、そうだよね？ りこちゃーん！！」

千歌「･･･あ、なんかすごい悲しそうな顔･･･」

曜「また上の方みた･･･うぅぅ、絶対こっち見ないようにしてるぅ･･･」ｸﾞｽ

千歌「よ、よーちゃんが嫌われたわけじゃないよ！？」

曜「･･･じゃあなんで梨子ちゃん、こっち来ないの？」

千歌「それは、･･･私たちに気づかないフリして、そのまま帰っちゃおうとか」

曜「･････っ」グスッ

千歌「とかは絶対ないよねっ！？ あるはずないって、りこちゃぁあん！！」

梨子「･･･はぁ」

梨子（この信号、いつになったら青になるのかなぁ･･･）ｼｭﾝ

完