ようそろ.jp

梨子「注文するよ？すいませーん、牛丼並盛で」

曜「私は牛丼大盛りで！」

千歌「ふっふっふ……私は魔法の言葉を覚えてきたのだ」

曜「魔法の言葉？」

千歌「牛丼並盛つゆだくで！」

曜「何それカッコイイ！通っぽい！」

梨子（カッコイイ？）

店員「おまたせしましたー」

曜「はやっ！」

千歌「すごいすごーい！もう出てきた！」

梨子（牛丼でここまではしゃぐ高校生……）

梨子「……ふふっ」

千歌「どしたの梨子ちゃん？」

曜「なんか面白いことあった？」

梨子「うん、ちょっとね」

曜「な、何？チカちゃん」

千歌「千歌、久しぶりに曜ちゃんのお家に行きたいなーって」

曜「わ、わわ私のお家！？」

千歌「うん♡」

千歌「昔は良く曜ちゃん家で遊んだじゃん！」

曜「そ、それは昔の話でしょ！？」

千歌「……そっか……」

曜「……へ？」

果南「見てわからない？買い物帰りだよ」

鞠莉「随分たくさん買ったのね、両手が塞がるほど買うなんて」

果南「卵の特売やっててさ、他にも色々と」

鞠莉「それにしても買い過ぎよ、息切れてるじゃない」

果南「ﾊﾊﾊ…ちょっと買い過ぎちゃったかな」

鞠莉「重そうね」

果南「うん、ちょっとだけね」

鞠莉「手伝うわ」

果南「いいよ、悪いし」

鞠莉「私と果南の仲じゃない、なに遠慮してるのよ」

果南「鞠莉……あ、ありがとう」

曜「開脚前屈の時 背中押してあげてるんだけどね」

曜「ｸﾞｲｰｯってやって 吐息が聞こえる距離まで近づくんだよ」

曜「千歌ってさ、まだまだ股関節が硬いから ちょっと押すだけで可愛い声を漏らすんだよね」

曜「もっと声を出させたいけど 私以外にも聞こえると恥ずかしがっちゃうからさ、止めてあげてるんだ」

曜「千歌って可愛さの中にも妖艶さがあるんだよねぇ」

善子「千歌さんとストレッチやる時あるけど、やけに胸を押し付けてこない？」

善子「妙に身体をくっ付けてきたり、手付きがやらしいというか…」

曜「千歌ちゃんを変な風に言わないで！千歌ちゃんはそんな女の子じゃ…」

善子「うっそー！」

曜「私がみかん剥いてるとさ、ｼﾞｰｯと見てくるんだよね」

曜「けど、なにも言わないの」

曜「それで皮を剥き終えたら、『よーちゃん よーちゃん！』って服の袖を引っ張ってきて、口を開けて待ってるんだよ」

曜「もう食べさせるしかないよね？ね？」

曜「結局 私の分は無くなっちゃうんだけど、千歌の笑顔だけでお腹一杯だよ本当」

善子「私の場合、千歌さんはよくみかんを剥いてくれるわよ」

善子「それでみかん嫌いなの知ってるのに無理やり食べさせようとしてきて、ほんと困った先輩よ」

曜「えっ…そんな…私と千歌ちゃんだけのみかんな関係じゃ無かったの…？」

曜「千歌ちゃん…」

善子「うっそー！」

ことり「ここには、たっくさんのかよちゃんがいます♡」

ことり「えへへ、楽しみだなぁ〜♪」

ことり「かよちゃ〜ん♡」ﾃｸﾃｸ

ことり「ここにはおにぎりを食べるかよちゃんっ！」

おにぎり花陽「おいしいです…♡ 流石は土鍋炊きですっ…」ﾊﾟｧｧ

ことり「わぁ〜♡」

ことり「かよちゃんこっち向いて〜！」

おにぎり花陽「あっ！ことりお姉ちゃんっ♪」

おにぎり花陽「はいどうぞ♡ 特製のおにぎりだよぉ」

ーーー今日は大晦日、ここは千歌の部屋

ｸﾞﾂｸﾞﾂ ｸﾞﾂｸﾞﾂ

梨子(今日は、年越しお鍋パーティーをやろう、ということで、お呼ばれされた私……)

ｸﾞﾂｸﾞﾂ ｸﾞﾂｸﾞﾂ

梨子(目の前で、カセットコンロの火にかかっているこのお鍋に、私は一切触れていない……具材選びや、切り分けや、下ごしらえや、何から何まで全部)

ｸﾞﾂｸﾞﾂ ｸﾞﾂｸﾞﾂ

梨子(本当に、ただ『お呼ばれ』されただけ……)

ｸﾞﾂｸﾞﾂ ｸﾞﾂｸﾞﾂ

梨子(このお鍋パーティーを企画したのは、千歌ちゃんと曜ちゃんだ)

千歌「そろそろ、かな？｣ｿﾜｿﾜ

曜「まだもうちょっと、じゃない？｣ｿﾜｿﾜ

梨子(具材選びや、切り分けや、下ごしらえや、何から何まで全部、千歌ちゃんと曜ちゃんがやっている……)

ｸﾞﾂｸﾞﾂ ｸﾞﾂｸﾞﾂ

ようちか「うーん、楽しみー！｣ﾜｸﾜｸ

梨子(なんでだろう、なんでこんなに、不安な気持ちがよぎっちゃうの……！？)

千歌「雨だねー」

曜「最近、雨ばっかりだよねー」

梨子「今日も外で遊べないね」

千歌「……そうだ！　ねえ梨子ちゃん、私、また梨子ちゃんのピアノが聴きたい！」

梨子「私の？」

曜「あ、私も私も！」

梨子「ふふふ、素人のピアノなんて、わざわざ聴くほどのものじゃないでしょ」

千歌「そんなことないもん！　梨子ちゃんのピアノは世界一だもん！」

梨子「ずいぶん小さな世界なんだね」

曜「今は小さくてもいいんだよ。これからみんなに聴いてもらえればいいんだからさ」

千歌「何で弾いてくれる側なのにお礼言うの？」

曜「ヘンな梨子ちゃん」

梨子「ふふふ、ヘンで悪かったわね。それじゃあ今日は何の曲を弾こうかな……」

千歌「あ、またアレ弾いて！　塩パンの曲！」

梨子「それを言うならショパンね」

曜「えーと、何だっけ、アレ、雨の日にぴったりの……『ゴマだれ』！」

梨子「それを言うなら『雨だれ』ね」

曜「『よーちゃん 怖いよー』って言いながらも、背中に隠れながら観るんだよね」

曜「震える手が背中に伝わってきてさ」

曜「『怖いとこ終わった？終わった？』って、画面をひょこひょこ見ながら聞いてくるんだよね」

曜「それで、ホラーシーンになる度にﾋﾞｸｯってしちゃってさ」

曜「本当、可愛いよね千歌って」

善子「あら、この前千歌さんとお化け屋敷入った時は思いっきり抱き付いてきて、泣く位驚いてて可愛かったわよ？」

曜「そ、そんな…千歌ちゃん、私とはお化け屋敷入ってくれないのに…」

曜「善子ちゃんとは…」

善子「うっそー！」

花丸「えっ？今日は1人一個食べてもいいんずら？」

ルビィ「なんか分かんないけど2個あったから大丈夫っ」

花丸「ずらぇ＾〜」

なぜなんですの

梨子「失礼します」ｶﾞﾗﾗ

梨子「…」

梨子「…」ﾃｸﾃｸﾃｸ

梨子「…よっちゃーん」ﾋｿﾋｿ

「…りこ？」

梨子「お、いたいた」

善子「どうしたの？」ﾋｮｺ

花陽「…」ﾎﾞ-

ことり「かーよちゃん」

花陽「…」ﾎﾟｹ-

ことり「かよちゃぁん…むぅ」

ｶﾌﾟｯ

ことり「ひゃあっ！？」

花陽「ぁぅ…/// ほっぺた…///」

ことり「かよちゃぁん…ずっとボーッとしてたけど…大丈夫？」

花陽「えっ…？」

花陽「えっと、ちょっと疲れちゃってたみたいで…あはは…」

曜「千歌ちゃんの方がでしょ！」

千歌「なんだって！？ こんのぉ……おバカ曜ちゃん！」

曜「ふんっ！ バカ千歌ちゃんが！」

ようちか「うぬぬぬぬ……」

梨子「ちょ、ちょっと2人とも……何喧嘩してるの！？」

善子（トイレから帰ってきた曜さんだと思ったら梨子さんだった）

善子（完全に聞かれてしまった）

善子「…………」

梨子「…………」

梨子「私ちょっと忘れ物しちゃって……」ｽﾀｽﾀ

善子「…………」

梨子「…………それじゃまた月曜日」

善子「待って！せめて何かリアクションして！！」